>>107
>ただ、どの道Aが石を蹴飛ばさなければ石は"そこ"に動かないわけだから
>因果律から逃れられないことに変わりはない。

それが人間の普通の世界認識

しかし、ヘプタポッドが同様に認識するとは限らない

Aさんがある大きさの力である方向に向かって小石を蹴ったら、その小石が
ある特定の場所に転がった

人間の目には、一連の時系列で継起した出来事に見える

ところがヘプタポッドはAさんが小石を蹴る前から小石が転がる先について知っている

小石がX地点からY地点へと移動することが確定事項であるのなら、
Aさんが小石を蹴るのは小石の移動を実現するためであると解釈でき、Aさんの自由意志が
否定される

映画に即して論じるのであれば、ルイーズの娘が病死することはすでに決まっている

ルイーズの人生において、イアンとの間に生まれた娘が病死することが目的化される

もちろん、ふつうの人間の悟性に照らせば馬鹿げた話にしか見えないが、ルイーズの人生や
ルイーズの娘の病死がより大きな世界の目的、あるいは法則の一部なのだとすればまた話は変わってくる

古の人々が神の計画と呼んだもののことなどを想起してみれば少しは納得しやすいのではないかな