>>557
「ミスリードのために用意されている」という捉え方がまず間違い
登場人物が知らないことを観客が知っている、というのは「劇的アイロニー」という映画の根幹を成すテクニック
ヒッチコックが『机に向かい合って座った二人が居て、その机の下に爆弾があることを、観客だけが知っている状態のこと』
と例えたのがあまりにも有名

あの男は非常に分かりやすい劇的アイロニーを誘発する存在
ミルドレッド自身は知るよしもないが、観客は映画のラストでミルドレッドが会いに行く男がアイツだと知っている
だからこの映画のラストは上手いんだよ。色んな可能性が示唆されている
ミルドレッドは殺す気力も萎えてるけど、いざアイツを目の前にするとどうなるかわからない

申し訳ないが、あれを劇的アイロニーだと即座にわからない君はやっぱり脚本術なんかまるで知らないんだと断言出来るよ