>>114-116
ジェームズの生活は、核戦争の後でシェルターに住んでいる人と同じようなもので、
大勢の人と直接交際することはないものの普通の生活に近い状況だったと言えるんじゃないかな。
「ルーム」のように監禁した人が子供の発達に無関心だったり、「籠の中の乙女」のように
洗脳を試みているようなケースと違って、ジェームズの偽両親は彼らが考え出したフィクションの
世界の範囲内でジェームズに与えられる限りのものを与えようとしていた。

ブリグズビーベアのビデオはジェームズの年齢不相応に幼稚ではあるけど、俺らだって
ドラとかアメコミ映画とか小学生の視聴可の映画観て喜んだりしてる。
ジェームズはビデオに登場するヒロインに疑似恋愛したりパソコンのビデオチャットで
偽のギャラリーと議論したり、環境汚染で他所の人とは直接会えないというフィクションを
信じている以外、案外ふつうだよね。

いい人ばかりということもないよね。ジェームズを理解せず彼を施設に入れるように両親を
説得するカウンセラーも登場する。パーティーではジェームズが話しかけても嘲笑って
無視する連中もいる。

ジェームズの周囲に集まってくる人たちはブリグズビーベアの魅力を理解した人たちで、
だからいい人というよりはジェームズと気の合う人たちとだともいえる。まあそういう人たちが
いい人たちなんだともいえるだろうけど。