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暴力をめぐる対話-Un pays qui se tient sage-
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0002名無シネマ@上映中
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2022/08/10(水) 11:29:38.22
『暴力をめぐる対話』9月24日公開決定!日本版ポスターが解禁!

2020年カンヌ国際映画祭の監督週間に選出されたフランスのドキュメンタリー映画『Un pays qui se tient sage』が、邦題を『暴力をめぐる対話』が、2022年9月24日(土)より全国順次公開されることが決定し、日本版ポスタービジュアルと場面写真7点が解禁されました。

地方都市から瞬く間にフランス全土へ広がり、マクロン政権に異を唱え立ち上がった市民活動“黄色いベスト運動”。 燃料価格、生活費高騰による社会的不平等に対する怒りと不満が高まるに連れ、抗議はときに破壊行為へと激化。2019年3月16日にはパリで200人以上が警察に拘束され、衝突は今日まで続いていく──。

監督のダヴィッド・デュフレーヌは、警官による暴力行為を市民がTwitterに投稿・報告する “Allô Place Beauvau”をWeb上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となり、死傷者を生む凄惨な武力鎮圧の増大を目の当たりに。果たしてその「暴力」は正当な行為と呼べるものだったのか。いまも世界中の国々で警察と市民の衝突から血が流れる事件が起きている中、民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対して、本作は傷を負った市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストほか24人にデモの現場を映した数多の映像を提示して、対話を促し、疑問を語り合いながら、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していきます。
0003名無シネマ@上映中
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2022/08/10(水) 11:29:45.39
『暴力をめぐる対話』(原題:Un pays qui se tient sage)
監督/ダヴィッド・デュフレーヌ
プロダクション・マネージャー /ガブリエル・ジュエル
アソシエート・プロデューサー/ヴァンサン・ガデル
制作総指揮/ベルトラン・フェーヴル
共同製作/JOUR2FETE
2020/フランス/ドキュメンタリー/DCP/93分/英題:The Monopoly of Violence

日本公開/2022年9月24日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
配給/太秦
© Le Bureau – Jour2Fête – 2020
0005名無シネマ@上映中
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2022/08/10(水) 11:39:38.60
“黄色いベスト運動”、警官による暴力行為を映し論争を呼んだドキュメント「暴力をめぐる対話」9月24日公開

2018年に地方都市から瞬く間にフランス全土へ広がった“黄色いベスト運動”と警察と市民の衝突を考究するドキュメンタリー映画「暴力をめぐる対話」が、9月24日から公開される。
カンヌ国際映画祭2020「監督週間」に選出され、世界で論争を呼んだ本作は、2018年からフランス全土で政権に抗議を続ける“黄色いベスト運動”の対峙、衝突、警官による武力行使の記録映像から人間や国家が抱えるジレンマを徹底追及。その「正義」について問いかけるドキュメントだ。
“黄色いベスト運動”は、 燃料価格、生活費高騰による社会的不平等に対する怒りと不満が高まるにつれ抗議はときに破壊行為へと激化。2019年3月16日にはパリで200人以上が警察に拘束され、衝突は今日まで続く。監督のダビッド・デュフレーヌは、警官による暴力行為を市民がTwitterに投稿・報告する “Allo Place Beauvau”をWEB上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となり、死傷者を生む凄惨な武力鎮圧の増大を目の当たりにする。
現在も世界中の国々で警察と市民の衝突から血が流れる事件が起きている。この民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対して、本作は傷を負った市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストほか24人にデモの現場を映した数多の映像を提示。対話を促し、疑問を語り合いながら、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していく。
9月24日からユーロスペースほか全国順次公開。
0006名無シネマ@上映中
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2022/08/25(木) 20:07:33.92
『暴力をめぐる対話』日本版予告編&監督コメントが到着

2020年カンヌ国際映画祭の監督週間に選出されたフランスのドキュメンタリー映画『暴力をめぐる対話』の日本版予告編と、ダヴィッド・デュフレーヌ監督のコメントが到着しました。

予告編では、2018年からフランス政府への抗議が続く黄色いベスト運動における警官隊と市民の衝突の映像をもとに、警察の暴力をめぐる出演者たちの白熱した対話が映し出されています。「デモ隊の破壊行為を放置するのか?」「みんな警棒で殴られていた」──傷を負った当事者、警察関係組織、弁護士らが互いの見解を語り合い、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していきます。

監督のダヴィッド・デュフレーヌは、警官による暴力行為を市民がTwitterに投稿・報告する “Allo Place Beauvau”をWeb上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となり、死傷者を生む凄惨な武力鎮圧の増大を目の当たりに。果たしてその「暴力」は正当な行為と呼べるものだったのか。民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対して、本作は傷を負った市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストほか24人にデモの現場を映した数多の映像を提示して、対話を促し、疑問を語り合いながら、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究します。
0007名無シネマ@上映中
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2022/08/25(木) 20:07:45.16
以下、到着したコメントです。

ダヴィッド・デュフレーヌ(監督)
この映画が遠く離れた地で公開されることを知り、この上ない喜びを感じています。なぜなら、これこそが映画の力だから。人々の意見や視点、そしてその相違を、空間と時間の旅へと送り出すことができるのが映画だからです。私は2012年に別の作品「Fort McMoney」で東京を訪れたこともあったので、なおさらです。最高です。
日本の警察の行いや市民との関係性についての知識はありませんが、ぜひ知りたいと思っています。この映画が公開されることで、ひょっとしたら反響が得られるかもしれません。一つ確かなことは、全ての民主主義国家は今まさに岐路に立っているということです。国民の前で、警察はどのように振る舞うことができ、またできないのか? 警察はどんな秩序を守るのか? 改めて、この映画が日本で公開されることを大変嬉しく思います。ありがとう。そして映画を楽しんでください!
0009稚羽矢 ◇2kaUxukfv2
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2022/08/30(火) 05:53:22.32ID:Fx/KIsvb
あんまりリアルな暴力は勃起するから嫌だな
0010名無シネマ@上映中
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2022/09/18(日) 11:38:04.66ID:xvJUtaAK
早く診てえ
0011名無シネマ@上映中
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2022/09/21(水) 13:55:39.90ID:ZwHvZu3d
マクロン政権下の暴動と鎮圧を捉えたスマホ映像集積を介し、市民/警察/学者らが対話を試みる。

“国家による暴力の独占”というホッブス、ヴェーバー以来のテーゼを巡り、失明など傷負った市民と、パゾリーニさえ引用する警官らの直接対話が醸すフランス社会の特異性こそ隠れた主役。



『暴力をめぐる対話』は、暴動/対話/終幕の3点で『Blue Island 憂鬱之島』を強く想起させる。
ただし前者では、警官や憲兵隊少将まで市民対話の場へ出て議論を交わす。両作とも登場する皆が終幕で順に顔を出すが、憂鬱之島では著名人でも名を伏される。日本ならと仮想する。
0012名無シネマ@上映中
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2022/09/26(月) 15:16:22.66ID:N8dTsj34
フランス、ヤバっ。とんでもない国だな。と思った。

この映画の中心には、フランスで今も継続中(だろう)「黄色いベスト運動」というデモ活動がある。「黄色いベスト運動」については、名前ぐらい聞いたことがあるし、数年前はテレビで結構取り上げられていて、パリの街中で警察と人々が衝突する映像を結構見かけた。

映画では、2018年11月から2020年2月に掛けて、フランス全土で撮影されたデモの映像を観ながら、映像に登場する人物や社会学者、弁護士、警察関係者など様々な人物による「討論」が行われる。討論そのものが映画になっているというわけだ。

ここで議論されるのは、「警察の暴力」である。

映像を見れば分かるが、フランスの警察は市民をなかなか酷い扱いをする。警察側にも言い分はあるようだが、まず映像をシンプルに捉えた場合の一般的だろう印象に触れよう。デモ参加者は基本的に武器を所持していない。デモ参加者の銃の所持は、これまで1件も認められていないそうだ。確かにデモ参加者も、素手で警察を殴るし、集団で襲いかかって威圧している。あるいは、「金持ちの象徴」であるブランド店などを破壊したりもする。それらは決して褒められた行為ではない。しかしそうだとしても、「デモの暴動を鎮圧する」「治安維持」を目的に行われていると主張する警察による暴力は、あまりに過剰に思われる。使用が禁止されているゴム弾によって怪我を負ったり、催涙弾の爆発で手を失ったりする者もいる。映画の最後には、2018年11月から2020年2月の間だけでも、2つの命、5つの手、27個の目が失われたと表記された。
0013名無シネマ@上映中
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2022/09/26(月) 15:16:35.97ID:N8dTsj34
討論に参加する「被害を受けた者」や「低所得者層の人」たちは、「警察はエリートしか守らない」「自分たちは警察権力を講師するための実験場にいる」と訴える。学者も、フランスにおける暴力は過剰さを増しているみたいなことを言っていたし、普通に見て、警察の振る舞いの方がヤバいと思う。

一方、討論に参加している警察側の人間は、決して多くはない「警察がデモ隊に襲われている映像」を見て「これのどこが過剰な暴力なんだ」と主張したり、あるいは、「ネットに上がるのは警察が暴力を振るっている場面ばかりだが、その前後の映像はどうなってるんだ。警察が侮辱されたり、襲われたりしている部分があるだろう」などと言っていた。しかし、後半の「前後の映像云々」の話は、ちょっと的外れだと思う。1つの映像はかなり長回しであり、その前後がたとえ切られていたとしても、かなり長い時間経過を捉えるものが多いからだ。少なくとも僕の感覚で言えば、「どちらにも問題はあるが、より問題が大きいのは警察の方だ」という主張は揺るがないと思う。

さて、マクロン大統領は警察の暴力に対してどのように主張しているのか。彼は、「フランスは法治国家なのだから、警察による暴力など存在しない」と完全否定しているそうだ。しかし、それはなかなか無理がある主張だ。この映画の中で流れるだけでも、かなり膨大な「証拠映像」が存在するからだ。それら個別の映像に対して何かコメントしているのか、それは知らないが、恐らくマクロン大統領など政権側の人間は、「暴徒を抑え込むために必要不可欠な暴力の行使だ」という主張でどうにか通そうとしているのだと思う。
0014名無シネマ@上映中
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2022/09/26(月) 15:16:48.56ID:N8dTsj34
ちなみに、ある人物が言っていたが、フランスは国際的な「民主主義ランキング」みたいなもので、民主主義レベルが格下げされたそうだ。元々「完全な民主主義」だったのが、今は「欠陥のある民主主義」とされているらしい。討論には、国連の人物も登場するのだが、彼は現在のフランスの状況について、「人権の国フランスでここまでやれるなら、自分たちももっとやっちゃってもいいのではないか」と考えるアフリカ諸国が出てくるのではないかと懸念を示していた。

映画の中で行われる討論は、ハンナ・アーレントやマックス・ヴェーバーなどの引用がバンバン出てきたり、「理論的」と感じてしまうようなちょっと難解なやり取りが多かったりと、結構難しかった。僕は映画を見ながらメモを取るのだが、普段なら出来る「字幕の文章を理解しながら、同時にメモする」というのが、この映画では結構困難だった。それぐらい、まず「理解する」という点で躓くぐらい、結構高度なやり取りだったと思う。

その中でも僕が一番納得感を感じた主張は、白髪の高齢女性のものだ。ちなみにこの映画、全体の構成がなかなか挑戦的で、フランスの映画だから「黄色いベスト運動」の説明がないのはまあ当然としても、議論の参加者についても一切紹介がないまま討論が展開される。映画の最後に紹介はあるのだが、討論が行われている最中には、誰がどんな立場の人間なのかよく分からないのだ。とにかく、あらゆる意味で説明が排除され、映画は「デモの映像」と「討論」だけという非常にシンプルな構成になっている。「討論」についても、「今何が討論の議題になっているのか」という説明は一切なく、討論の様子だけが淡々と映し出されていくのだ。全体を理解するという意味では易しいとはいえない構成だが、僕はなかなか面白い趣向だと感じた。
0015名無シネマ@上映中
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2022/09/26(月) 15:17:05.40ID:N8dTsj34
そんなわけでその白髪の高齢女性も誰なのか分からなかったが、最後の紹介では「公法 名誉教授」と表示されていたと思う。で彼女は、大体次のようなことを言っていた。

【民主主義というのは、「社会分裂」を容認する仕組みだ。だから警察は、「多様性の保証」に務めるべきだ】

【意見の相違が存在する状態こそが民主主義なのであり、全員の意見が一致していたとしたら、その民主主義には何か問題がある。何かが自由を侵害しているのです。】

この意見は、討論全体のテーマである「警察による暴力」からちょっと離れているが、しかしそのテーマは必然的に「民主主義とは何か?」という問いも引き連れるのであり、それに対する明確な回答だと言っていいと思う。

日本でもそういう傾向が見られるように思うが、フランスにおける「黄色いベスト運動」に対する政権の反応は、「自分に反対する者はすべて敵」というスタンスである。そして政権は、その「敵」を排除する目的で警察権力を行使している。この構図は動かないだろう。討論の参加者の1人も、「これは政治的な問題なのに、あらゆる対処や声明が非政治的なものに置き換えられている」と批判していた。

民主主義であれば、必ず「自分に反対する者」はいるわけで、それを「敵」とみなすのであれば民主主義は成り立たない。しかし、そのような「民主主義の根底」が、フランスに限らずあらゆる国でひっくり返っているように感じられる。同じ白髪の高齢女性が、「暴動は民主主義の生命線」だとも言っていた。だからこそ、それを公権力によって押さえつけるのは間違いだと思う。
0016名無シネマ@上映中
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2022/09/26(月) 15:17:19.93ID:N8dTsj34
もちろんだが、警察側の人間が言うように「治安維持」は大事だ。それは当然である。しかし、「武器を持たない人間をゴム弾で撃つ」ことが「治安維持」とは思えない。

その辺りのことに関連して、別の人物が興味深い論点を提示していた。それは、

「彼らは暴力的だ」と正当に主張できるのは、一体誰なのか?

である。これは確かに面白い問いである。

警察は「デモ隊が暴力的だから、治安維持のために暴力を行使するしかない」と主張するし、デモ隊は「警察側が暴力的だから、その対抗措置としてこちらも暴力的にならざるを得ないのだ」と言う。どちらも「相手が暴力的だ」と主張しているのである。

では、その主張は、一体どのように「正しい」「間違っている」と判定されるのだろうか? 誰が一体、「○○は暴力的だ」と決める権利を持っているのだろうか? 確かに、この辺りの判断が「感情的」に行われてしまっているからこそ、状況が混沌としているとも言える。

この問いに対して、明確に答えを返せる者はいなかったのだろう。映画の中で、答えらしき発言はなかったと思う。確かになかなか難しい問いだ。「どんな場合においても、警察の暴力だけがすべて合法だ」とすれば権力の横暴となるし、だからといって「暴力的である基準」を示すことも難しい。

マックス・ヴェーバーの言葉だったと思うが、「国家とは、合法的に暴力を保持するものだ」みたいな言葉が討論の冒頭で出てくる。たぶん多くの人が、この主張そのものには賛同していただろう。ただ、だからと言って現在のフランスの警察のスタンスは許容できない、という点が問題なのであり、「合法的に暴力を保持するのが国家である」という大原則に対して、どのような観点を加えれば現状の抑制や改善に繋がるのかということが、理論的に、あるいは現実的に話し合われている。
0017名無シネマ@上映中
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2022/09/26(月) 15:17:32.74ID:N8dTsj34
あともう1つ興味深かった話が、「抑圧」と「予防」の話だ。これは、マクロン大統領がプーチン大統領と会談をする映像に合わせて行われた話である。

フランスでは、デモの権利が認められているからこそ、「起こってしまったデモを抑圧する」という対応が取られる。しかしロシアでは、「デモが起こる前に、予防的に人々を拘束したり逮捕したりする」という手法を取っている。そういう意味でフランスはまだ民主的だと言えるが、これから民主主義のスタンスが、「抑圧」ではなく「予防」に変化していくのではないか、という考えを述べる者がいた。そういう捉え方をするのであれば、フランスはまだマシというわけだが、しかしだからと言って、デモ映像の中で展開される警察の暴力を許容する気にはなれない。

なかなか難しい問題だ。

なかなか難しい問題だが、決してフランスに限るものではなく、「民主主義の根幹」が様々な国で揺らいでいるからこそ、「国家の暴力を私たちはどこまで許容するか」について改めて考えるべきではないかと思う。ある人物は、「私は国家の暴力の被害を被ることを許容する。それは、安全を確保したいからだ。それが社会契約である」と、ルソーの社会契約論の話をしていた。たしかに、国家が独占的に暴力を有することができるのは、国民の安全を担保するためだろう。個人が様々な暴力に対して個別に対処しなくて済むように、国民から暴力を取り上げる代わりに、国民の安全を国家が守るというのが契約のはずだ。その契約の当事者の一方が契約を正しく履行していないのではないかと指摘する人物の話も、なるほどと感じさせられた。
0018名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/09/26(月) 15:17:51.68ID:N8dTsj34
映画の最後には、監督による5分ほどのトーク(録画)も流れた。大規模なデモが50年以上行われていない日本と、デモが日常であるフランスでは、基本的な考え方が大きく異なるだろうが、しかし、先述した通り「あらゆる国で民主主義が後退している」という現実がある中で、この映画の討論は日本の人々にも意味があるのではないか、という話をしつつ、日本人にはあまり馴染みがない「黄色いベスト運動」にも基本情報を説明していた。

正直、討論についていくのはなかなか難しいと感じる箇所もあるが、映像のインパクトはかなりのものだし、SNS時代からこそ生まれた状況であるとも感じる。色々考えさせられる映画だ。
0019名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/09/26(月) 19:13:23.08ID:zj5PZdOu
見てよかった。
社会に対して直接的な価値を持ちすぎていて、他の映画と並列に語れないため点数はつけられない。だけど、ドキュメンタリー映画としては過去一で衝撃を受けたし、一生心に残ると思う。

タイトル通り、暴力を多面的かつ徹底的に語ってて密度濃かった。
暴力の厄介なところは、動物の根源に染み付いている故に、暴力を行使した人間がその暴力自体に酔わされてしまうこと。1度発生したら爆発的に過剰になっていく。
全く同じ題材をストーリーの形で真摯に描ききってるヴィンランド・サガは、改めて偉大な漫画だなぁ。


民主主義とは、スタンスであり理想であるため、決して完全な実現がなされることは無い。故に、民主主義を口実に特定の行為が無条件の肯定を得ることはありえない。
というくだりが1番納得感あった。

学者陣の言語化力がすさまじく、教育の大切さを実感。
0020名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/09/29(木) 12:56:58.85ID:nHkZFkMz
リアルなスマホやビデオ映像に加え、参加者の発言もアカデミックなものから感情的なものまであって思考が要求されるが、もう一つ見どころはマクロン大統領とプーチンの会談の場面だ。

とんでもないジョークを見せられている気になる。
えっ!?あんた何言っとるん!?みたいな衝撃だ。

当時「黄色いベスト運動」の報道を見てにいて、言い方は気を付けなくてはならないと思うが、フランスらしいなと思っていた。
ふざけて言っているのではなく、至って真面目な感想としてだ。

映画のエンドロールの後に、日本公開に向けた監督のメッセージが流されて、彼が話す通り、フランスは、特に、フランス革命の後は、数々の闘争を繰り広げた歴史があり、現在の人権も含めた様々な権利は、こうした闘争やデモによって獲得されたものも沢山あるのだ。

フランス革命の後の、フランスの歴史の変遷は目まぐるしい。

国王やマリー・アントワネットを断頭台に送ったフランス革命。
共和政に移行するも、ナポレオン・ボナパルトの登場で帝政となり、その後、ナポレオン1世の失脚で、王政に戻り、7月王政を経て、2月革命による第二共和政、ルイ・ナポレオンが皇帝になった第二帝政、ナポレオン3世の失脚と亡命をきっかけにした第三共和政。そして、ここにはパリ・コミューンや、最近映画にもなったドレフュス事件(「オフィサー・アンド・スパイ」)も含まれる。
その後、第二次世界大戦では、フランスはナチス・ドイツに占領され、レジスタンスをナチスに密告したとして、戦後、フランス国民の間で対立が極度に高まったこともあった。

フランス人は、フランス革命以来の二百数十年間、闘争やデモを繰り広げ、映画でもコメントがある人権宣言なども獲得してきたのだ。

だが、戦後、第五共和政の大統領となったド・ゴールは、フランス国民の分断の融和に努め、かつての植民地が次々と独立していく中で、対外的にも、過度にドイツに賠償を求めることは控え、対共産主義という大命題はあったものの、西側ヨーロッパの融和を主導する立場をとっていく。
0021名無シネマ@上映中
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2022/09/29(木) 12:57:11.72ID:nHkZFkMz
その延長線上にあるのが、関税同盟であり、EUであり、統一通貨のユーロなのだ。

ド・ゴール以降も、フランスは大政治家を輩出してきた。近代美術館の名称にもなっているポンピドゥー、ジスカール・デスタン、ミッテランなどだ。

ただ、ソ連のアフガン侵攻や、湾岸戦争、レバノン内戦、イスラム原理主義者が主導するテロ活動の活発化、911テロ、アフガニスタン戦争、イラク戦争、シリア内戦、アルカイダやISとの闘いなど、中東地域の不安定化に伴うヨーロッパへの移民の流入や、貧困に喘ぐアフリカの旧植民地からの移民の流入で、もとからのフランス国民の生活が圧迫されたほか、国民の間の格差が拡大したことで、生活苦に喘ぐ人々が不満を募らせていったのだ。
そして、マクロン大統領の登場で、富裕層が税率の軽減措置なので優遇されている状況を目の当たりにして、その不満が爆発することになった。

こうしたことが背景にあったからこそ、国家権力は、デモ参加者が暴力に奔る状況を何としても阻止したいと考えたのだろうと思うし、フランス国内でもテロは度々起こっており、これが警察権力の過剰な暴力に繋がったことは確かなように思う。

しかし、警察権力による暴力が単に容認されるべきではないことは、日本も同様だ。

議論の参加者の中には、警察は多様性に仕えるべきではないのかという意見もあったが、それではあまりにも曖昧すぎて、僕は、国民に仕えているのだと常に意識することが重要に思える。
それは、政治家が国民に奉仕するべきとの考え方と同じだ。

しかし、政治哲学者のハンナ・アーレントが「暴力について」で述べているように、デモ参加者の中に、デモに乗じて犯罪行為を行う輩はいて、これはアメリカの#BlackLivesMatterデモでも同様だったが、スーパーで略奪行為を厭わない連中がいたことでも分かるように、デモは常に不安定な集合体だと思える。
ハンナ・アーレントは、こうした犯罪と警察権力による暴力のエスカレーションを想定していたように思うが、ある意味、「黄色いベスト運動」の悲劇は、本当に言い方は悪いが、必然だったようにも思える。
0022名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/09/29(木) 12:57:25.05ID:nHkZFkMz
コロナとウクライナ戦争で、マクロン大統領は、この「黄色いベスト運動」について、実は一息ついているように感じる。

僕は決してマクロン大統領が嫌いではない。
歴史学者のジャック・アタリとも交流を深め、どんな状況にあっても、ロシアのプーチンとホットラインを維持し、ジャック・アタリの言葉を借りれば、「ロシアはヨーロッパの一部なのだ」と、プーチンに理解させるように奔走しているように思える。つまり、ロシアは、西側の価値観と何ら対立する対象ではないのだということだ。
これは、戦後ヨーロッパでドイツを阻害せず、ちっぽけな関税同盟から始めて、EUにまで拡大させ、2度とヨーロッパを戦場とはさせないと云う現代ヨーロッパの強い精神なのだと思う。

しかし、高尚な精神に対して、現実が突きつける困難は決して小さいものではない。

この作品が突きつける警察の暴力は直接的な暴力だが、議論の参加者の一人が言っていた通り、搾取や、それによって起こる貧困も実は暴力だ。
国際政治学を勉強していると、戦争など直接的暴力に対して、国際的に起こる搾取や貧困は、構造的暴力と位置付けられていることを学ぶ。

構造的と言っているのは、この問題の種が何なのか明らかにして、これを解決しないと、本当の問題は解決できないという考え方の表れでもある。

アメリカの#BLMムーブメントのきっかけになった警察の暴力とジョージ・フロイドさんの死もそうだが、スマホの撮影はリアルな現実を映し出す。
だが、スーパーに押し入った暴徒も録画されていたのも事実だ。

だからというわけではないが、絵空事のように思われようと、価値観の異なる人間が、理性の下、議論を重ね、解決策を見出すことが一層重要だと強く思う。

その点で、僕は、この事態への対応について、マクロン大統領を評価は出来ないと思っている。
0023名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/09/29(木) 12:58:03.27ID:nHkZFkMz
昨日の安倍晋三元首相の国葬に反対する人々の列に、国葬に賛成とするイカついいかにも右翼団体の構成員のような男が、暴力的な仕草で恫喝して身体を押し付ける場面をニュース映像を見た。手を出さなければ、身体を押し付けるのは暴力行為には当たらないとの独自の解釈なのだろう。浅はかな知恵を使っているようで、警棒を振り回す、この作品のフランスの警官と何ら変わるところはない。

こういうバカは、親もバカなんだと思うが、小学校からやり直した方が良い気がする。

イタリアでもそうだが右派が政権を取ったり、政権に迫っている状況は、生活苦に喘ぐ人々の声を吸い上げ、改善させるという(具体的とは言えないものの)政策に支えられたものだ。
こうしたタイプのマニフェストは、本来は左派や左翼とカテゴリーされる政治グループのものだったが、ある意味、逆転現象が起こっているのだ。
つまり、政治は国民の声に支えられないと、良い意味でも悪い意味でも、立ち行かないということだ。
0024名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/09/29(木) 12:58:11.77ID:nHkZFkMz
ここが日本のウヨ公政治家と、これを良しとし支えている日本国民の決定的な違いだ。
安倍晋三は亡くなってしまったが、国葬を強く後押ししたとされる麻生太郎は国民生活のことを真剣に考えているだろうか、同様に国葬を岸田首相に強く要求した下村博文は旧統一教会と強い絆で結ばれた政治家だ。自助・共助・公助がバカの一つ覚えとなっている菅義偉は、この主張の通り、勝手にやっておくんなせえと、国民の側などに決して立っていない。

この作品を観る日本人は少ないと思うが、いろいろ派生することも含めて考えさせられるドキュメンタリーだった。
0025名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/09/30(金) 19:16:37.09ID:hD4jZBua
奇しくも時代革命を観たユーロスペースで再び鑑賞。

どちらも国民たちのデモにまつわる映画…でもどちらがどちらの国か正直わからなくなった。

もちろん国家のイデオロギーもでもが獲得しようとする自由も権利も異なるのけど、国家が奮う公権力とメディアとのバランス。

体制側の国民の厭戦感を煽るかのような暴徒として強調されるデモ集団とエスカレートする警察側の暴力。

もちろんSNSが普及したからと言っても完全に公正な視点なんてあり得ないと思うし、どちらの主張もある意味正しいのだと思うけど、正しさのメジャーは誰が持っているのかと考えるとやはり国民が弱者なのかなと思う。

そして観続けるうちに一番怖くなったのは過去の哲人、偉人の言葉を拠り所にデモの是非を俯瞰するアナリストたちだった。

とにかく、テレビだけのんべんだらりと見ていれば芸術やらファッションの都だのと
言われているかの国で起きた事実に触れることができてよかった。

昨今のロシアの動向も然り、我が国でのデモ活動はとても穏やかだなとも思う。
体制に怒りを向けることが下手な国民性なのか、実は超全体主義的に怒りの対象がコントロールされているのか…若者がもう少し怒ってもいいような気がするのは何故?
0026名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/10/02(日) 01:07:47.14ID:PAIA2XO2
2018年からフランスで続く政権への抗議運動「イエローベスト運動」に対する政権の威を借る警察組織による暴力についての多面的な対話。対話する人々の素性はエンドロールまで明かされず、観客は運動側、政権側、警察側、識者、一般人、それぞれの意見に思考を揺さぶられ続ける。

エンドロール後の日本での上映用の監督メッセージでも語られていた通り、イエローベスト運動に限らず、世界での普遍的な「暴力の正当性」についての対話として成り立っている。(香港でのアレコレや札幌での警察によるヤジ排除が頭を過った)エグい人体損壊や暴力が現実の映像で見せられるので要注意。

イエローベスト運動は非暴力な運動として始まったと思うし、警察も当初は暴力に及ぼうと思っていなかったのではないか。しかし、運動が拡大する中で、小競り合いが起き、互いに、報復を繰り返す中で収拾がつかなくなったような。政権が、警察が、悪いのは間違いないが、運動側だけに肩入れは出来ない。
0027名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/10/02(日) 18:43:58.38ID:yJ6nM+qL
不安定で暴力的なフランス近代史を見る。フランスにおける警察官の暴力の正当化に関する市民の考察作品。黄色いベスト運動の警察の対応に対するプーチンの口出しが一番滑稽だった。"我々はここまでやらない" w ドキュメンタリーとしてあまり話に深堀や広がりはなかったけど映像は終始刺激的なものだった。顔に穴が空いたり、手がもげたり。。容赦ない警察の暴力と警察を貶めようとする悪意。民主主義レベル格下げの話とか、それでも全体主義で独裁的なロシアとは全然やり方が違うんだ、比較はできないの部分の話とか面白かった。
0028名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/10/27(木) 00:25:24.05ID:iPrPE1Xw
人々の自由と権利、警察による暴力と公権力、政治という権力、合法性と正当性の解釈と実際問題を考える上で示唆に富むドキュメンタリー。
自由と権利を重んじ、カジュアルにデモが行われるフランスであっても、警察という公権力による暴力の姿は、メディアを通じて伝えられるアメリカや香港のそれと酷似していて、非常に悩ましい。
世界的に民主主義の度合いが低下しているのかもしれないと危機感を覚える内容で、なかなかデモが根付かない日本においても、街宣活動中に野次というか抗議の声を上げた人が排除されたいわゆる道警野次問題を考えると、公権力が似たような形で行使されたことは無視できないと思う。
警察が合法性を主張する治安維持のための暴力は正当化しうるのか、一市民の立場から考えると到底受け入れがたくて、必要最低限の受け身的、抑制的な対応が求められると思うけれど、そのような対応がもし可能となるとすれば、政治家が主導して警察の基本的な対応方針を示す必要があるんじゃないか、そんなことを思わされる。
つまり、間接民主主義においては、公権力を誇示しないような政治家を選ぶことが有権者たる市民の意思表示になるわけで、選挙だったり、政治について考えたりするのは大事だよねと再確認。
0029名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/10/28(金) 08:42:45.11ID:SPXtb7AF
国家の暴力に抵抗するための民衆の暴力のみが、「秩序を乱す暴力」として糾弾される状況は、どこの国でも変わらないのだなと思った。フランスでもこんなに民主主義が死んできているのか…とショッキングだった
0030名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/10/28(金) 19:25:27.25ID:B1F0l3Nm
「人権を声高に叫ぶフランスでもこれなのだから、とアフリカ諸国がより人権を抑圧するようになってしまう」というセリフが心に残った。
香港のデモが思い出された。
0031名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/10/30(日) 09:29:35.15ID:+DwtS2Ou
暴力とは何か?デモ隊の過激な行動が暴力と言うならその暴力はなぜ起きたのか。

一般市民によりスマホで撮影された当時の映像とデモに参加していた人・主婦・ジャーナリスト・社会学者・歴史学者・大学教授・警察さまざまな立場の人のインタビューをメインに構成される良質なドキュメンタリー。
偉人の言葉を引用したり難しい言葉を並べているインテリの方々のインタビューよりも心に響くのはソーシャルワーカーの若い女性の話だった。私たちは常に政治や社会からの暴力に晒されていると。
誰か忘れたけどこんな話をしてる人もいた。暴力とは通常生き物の生死に関わる事で例えばひよこが産まれる時に卵の殻を破るとか・・現代人が受けている暴力は暴力と気づかないほど間接的なもので原因が自分から離れすぎている。原因がわからないまま暴力に晒され続けるとやがて人は(心や体の)病気になったりする。
日本人の私にも他人事ではない。
日本はフランスみたいにデモにすらならないしロシアみたいにあらかじめ反発分子を地下鉄で逮捕する必要もない。フィジカルな暴力は少なく見えるし日本は平和だって言うけど自殺者の数や犯罪の質を見てみたら間違いなく政治や社会による暴力は行われていてそれによって人々は病気になってる。
そういう暴力に抗う手段として行われるデモで国民を守るはずの警察があちこちで暴力を振るう映像はショッキングだしもちろん全員じゃないけど警察は自分たちが市民より権力を持ってると勘違いしているしそれをアイデンティティにしているんだなと思った。でもそんな勘違いも政治権力からの暴力によるものだと思った。

最近アテナを観て「先にやったのはあっち」というアバウトでフワフワした感想を丁寧に分析してくれてありがとう。
0032竹石敏規
垢版 |
2022/10/30(日) 12:05:15.67ID:kyK4A13p
参考までに

工藤会は、民明書房にも記載されていますが、過激な愛国団体と見たほうが良いでしょう。
ヤクザなのに傘下に右翼団体を持っていないのも、工藤会自らが中国やパチンコマルハン(社長が反日思想で有名)に鉄槌をくだしているからです

1990年代後半から工藤会は「中国人犯罪の排除」を提唱して、組員数十名を動員し、北九州市内の繁華街で中国人経営の風俗店や酒場の所在を調査して発見次第それらを街から追放するという活動を行ってきた組織。
また、福岡県にある中国総領事館を散弾銃で襲撃したこともあり、反中的活動をしている。
工藤会は昭和21年に福岡県の福間競馬場で朝鮮連盟との間で乱闘騒ぎを起こしており、昔から在日朝鮮系組織と戦ってきた集団。
近年も、みかじめ料の支払いを拒否したパチンコ店を軒並み襲撃し、統一教会と親密な安倍元総理の自宅と後援会事務所に火焔瓶を投げ込んだこともある。
基本的に国粋的活動ばかりしている。
0033名無シネマ@上映中
垢版 |
2022/11/01(火) 01:34:17.82ID:UYMEF3uQ
民主的な政治とは何なのか?フランスの著名者が語るドキュメンタリー作品でした。政治的な意図を感じざるを得ない展開となっており、見る視点によっては良し悪しが異なる、意義深い内容でした。
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