面白い資料を提供します。

その1
1956年「エンサイクロペディア・イヤー・ブック・オブ・ジャズ」で、
100人以上のジャズ・ミュージシャンが部門別に「誰が一番偉大か」という投票を行った。
男性ヴォーカリスト部門の結果
ルイ・アームストロング 9票
ナット・キング・コール 13票
フランク・シナトラ   56票
と、シナトラ断トツでトップに選ばれている。
シナトラに投票したジャズメンの中には、マイルス・デイヴィス、デューク・エリントン、バド・パウエル、スタン・ゲッツ、レスター・ヤングらが含まれていた。
 以上、季刊ジャズ批評97より
その2
篠崎 正 著「百万人の音楽 ジャズ」(酣燈社昭和28年12月5日発行)
著者は、“ジャズの音楽的特質”と題して次のように記している。
「ウィンスロープ・サージャントは、こう言っている。
『ジャズは、音楽家の仕事としては、叙事詩的な形式の仕事とはいえないであろう。
しかし、ジャズは、その限度内において、音楽表現における真摯な極めて愉しい形式である。』
叙事詩的な形式 − それは、クラシック音楽におけるソナタ、協奏曲、交響曲、あるいは近代の交響詩風の作品などにみられる形式を指すものであろう。
・・・しかし、ジャズの最もジャズたる面目は、観念やロマンティックでなく、もっと端的に、直接に、体当たりするような現実感に満ちたポピュラー・ミュージックたることになければならない。
その限りにおいて、サージャントの説は大いにうなずけるし、また、確かに、ジャズはジャズとして、他のどんなものをもってしても代えることのできないような、驚異と魅惑に溢れた、愉しい、ひたむきな大衆音楽 − ポピュラー・ミュージックなのである。」

これらの事実や意見について、どう解釈するかは各人の自由です。
ジャズ、ポピュラー何れの言葉についても、その言葉の定義が論者によって違えば、議論はかみ合わなくなります。