〈ジャズの帝王〉 マイルス・デイヴィスは、1970年代、エレクトリックなサウンドへのシフト・チェンジによって、
過激にして過酷な運命を辿る。
”ポスト・ビッチェズ・ブリュー”を模索する中、スライ、ジミヘンといったあまりある刹那的異能と対峙することにより、
ファンクやブラック・ロック・サイケデリアに徐々に指向を強めていったマイルス。
度重なるメンバー交替を繰り返しながら、バンドはさらなる電界ムードを遂げ膨れあがった。
十分すぎるほどの準備期間を経て、交通事故を原因とした慢性的な体調不良を患いながらも、帝王は完璧なるエレクトリック・シーズンを手中にした。
『On The Corner』制作に本格着手した1972年3月9日から、2度にわたる来日公演を経て、所謂 ”プリンス・オブ・ダークネス”、
6年の沈黙期に入る直前までの1975年9月5日。 「過激にして過酷な」 4年間の旅路、その内実と真相とは?