杉並公会堂で藤田真央とヴィルトゥオーゾユースオーケストラとのチャイコフスキーピアノ協奏曲を
聴いてきた。第1部で2番、第2部で1番の演奏だった。開場後プレコンサートとしてホールで弦楽六重奏が
あった。藤田は第1部では後半の演奏だったので、プレコンサートが始まった時は100人も観客がいなかったが
演奏も終わりになる頃にはだいぶ客が増えた。演奏は本格的できっと選ばれた6人だったのだろう。
最初の2番の藤田は1・2楽章は悪くはなかったのだが、アピールするものがそう感じられなかったので
今日はこんな感じの演奏会で終わるのかとややがっかりした気持ちになった。2楽章の途中で女性コンサート
マスターのソロとそれをサポートするチェロがプロを思わせるような演奏で今日の主役はこっちなのか
と思ってしまった。でも3楽章になって一変して藤田が今日の主役は僕だという素晴らしい演奏を見せた。
1番の方は藤田にとってはもう手馴れた曲になっているだろう。多くの奏者は手馴れてくると演奏に新鮮味が
なくなって来たりするが、今日の藤田はそんなことは全くなかった。前回の藤田の1番を聴いたのは
フェスタサマーミューザKAWASAKIだった。2・3楽章の演奏がやや物足りないような気がした。今日の
2・3楽章は歌心が感じられたし、1楽章も前回以上だったので今日は来て本当によかったと強く思った。
オケ自体も2番の時よりも1番の方が情感がこもっていたので、藤田のピアノをさらに盛り上げていた。