>>436   >(「カザルスとの対話」白水社)はウソっぽい
ウソっぽいですかね?
「カザルスとの対話」はカザルスの秘書コレドールが、カザルスがしゃべったことを
記録したもの。訳・佐藤良雄はカザルスの直弟子。
カザルスが嘘を言うとは考えにくく、何か間違いがあるとすれば、カザルスの勘違い、
コレドールの聞き取り間違い、佐藤の誤訳といったところか。
次のページに重要なことが書いてあった。

私より以前には、ヴァイオリニストもセリストも、この大家中の大家であるバッハの
組曲やソナタを完全な形でひいたものはなかった。演奏家たちは普通、サラバンドとか
ガヴォットとかアルマンドとか、その一部分しか演奏しなかったのだ。私の考えは、
この作品を少しも省略しないで演奏することだった。--中略-- 当時これらの曲は、
なにかしら冷ややかな学究的なもののようにみなされていた。……しかし冷ややかと
言われたバッハが、じつは燦然たる詩情にあふれたものだったのだ!(引用ここまで)

ところで、クロイツァー42エチュードの13番に、原曲バッハなどのなんの断りもなく
出てくるので、ヴァイオリンしか弾かない人はクロイツァーの作と思って疑わなかった
ということはないだろうか。