>>304
トスカニーニはオペラを500曲も「そら」でやった。18歳の時、150のオペラ譜面を読んでいて、「そら」で演奏出来、歌手の練習にオーケストラ部をピアノで弾いてリハースした。
彼は覚えようとして覚えたのでなく、一度聞くか譜面を見ればそのまんま頭に入ってしまい、一聴で「そら」で全パートの譜面が書けた。
パルマ音楽院の学生の頃から、演奏会を聞いた後全パートを自分の譜面帳に一気に書いていた。
こういう特異な天才はモーツァルトの後にはトスカニーニしかいない。
全部の音が頭に入っていて全部を歌う。そのため、トスカニーニの演奏では常に全部が聞こえる。モーツァルトもその通りであったはず。
明晰で透明なのはそのため。演奏で何かが聞こえないのは、トスカニーニやモーツァルトにとってはその曲ではないのだ。