■■■フルトヴェングラー32■■■
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
マイク位置は天吊りと床スタンドの2種類があって
スタンド置きの場合は指揮者のすぐ後に置くことが多い。
ザルツブルクなら1本吊りマイク
ttps://lastfm.freetls.fastly.net/i/u/894c727734974ed6a1afaa277f14b374.png
ttps://www.youtube.com/watch?v=vItuQgmLyxw
ルツェルンの場合は天吊り1本かな。
ttps://media.gettyimages.com/photos/wilhelm-furtwaengler-is-conducting-the-fifth-symphonic-concert-at-picture-id543488901?s=2048x2048
この写真はノイマンM49と並列でCMV3がぶら下がってるけど
レコード会社と放送局という棲み分けかもしれない。 こんな詳しい人滅多にいないので便乗スレ違いですんません
これワルターとVPOのマーラー9番のなんだけどマイク型番わかりますか?
https://i.imgur.com/VlvAJTF.jpg フルベンのRIAS音源のほうは、1949年にティタニアパラストの大改修
1952年にFM放送開始というように、市政から補助が出たタイミングで
録音機材を更新しているように見受けられる。
それでもベルリンフィルには一種のペナルティがあったようで
同時期のフリッチャイに比べ明らかに機材の更新が遅れてる。 >>746
おそらくEMI HB1型だと思うけど、先端のメッシュカバーが少し違うような。
ttps://www.abbeyroad.com/news/lester-smith-on-the-emi-hb1e-microphone-2508
1940年代の独エレクトローラはEMI製のマイクで録音していた。
あと、もしかするとWE 618型かもしれない。
ttp://www.coutant.org/we618a/index.html
アビーロードは1931年にスタジオを改修した際にWEと技術提携している。
ttps://s3-eu-west-1.amazonaws.com/images.abbeyroad.com/widget/image/2c245e4a-d169-4099-bc22-076fdd76a9cd.png
ttp://www.coutant.org/we47/index.html >>748
このSP盤のマトリクスにある□マークはWE製品使ってるロゴだったはずですがマイクなのかカッティング機器なのか忘れちゃいました
どちらもあり得そうですね
感謝です! フルトヴェングラーの録音で同時代の平均より音が良いものって少ない気がするんだが。
最近は昔より耳が悪くなったのか、その悪い音でも満足なんだけど。 EMI録音でダグラス・ラーターが録ってる録音は非常に良いよ ダグラス・ラーターは、カラヤンの若い頃のEMIの録音を担当していた人じゃないか。
お家のCDで検索したら、フルトヴェングラー、PO、エドヴィン・フィッシャーが1951/2/19-20、カラヤン、PO、ギーゼキングが1951/6 の録音が共にダグラス・ラーターで、録音日近すぎな気がするのと、フルトヴェングラーとの録音のタイミングで、POは自信満々な感じなんだが。 >>750-752
フルベンの録音は、EMIやDGなどのレコード会社による正規盤と
RIASやORFなど放送局のライブ録音に別れ、数は放送録音が9割を占める。
ただし放送録音はレコード会社との専属契約がかなり厳重だったので
オリジナルテープの蔵出しはNGでほとんどは海賊盤として世の中に出ていた。
この音質がAM放送のエアチェックなみだったので試聴に苦労した。
各国のフルトヴェングラー協会などは親族などを交えた研究目的の頒布で
比較的ましな音質で提供していたが、海賊盤の数のほうが圧倒的だった。
ところが没後50年経って著作権関連が解かれると
放送録音のオリジナルテープが自由に扱えるようになったので
当時FM放送で流していた品質そのままでフルベンを聴けるようになった。
音質改善にはデジタルデータをパソコンで編集できるようになったのが大きく
再生スピードの修正、テープの皺、会場の咳などのノイズのゴミ取り等々
様々な修復が成されているが、イコライザーやリバーブの癖がまちまちなのが課題。 フルベンの戦中のマグネトフォン録音を参考にすると
ドイツの放送録音には、SP盤→LP盤という時代区分がなく
1942〜65年頃まで一貫して同じ手法で記録された。
その間モノラル→ステレオという技術展開もあるわけで
1940年代の最新技術と1960年代のオワコンという
極端な意見のなかで亡霊のようにさ迷っている。 個人的には放送局のオリジナルテープは
カメラでいうネガフィルムのようなもので
モノクロ写真で現像という過程が重要なのと同じで
リマスターの過程からオーディオ装置の最適化まで
まだまだ検討する余地を残していると思う。
私自身も最近になって15年振りにCPプレーヤーを
ラックスマンD-03Xに買い替えたのだが
意外なことに1990年代のセブンシーズ盤がまともに聴けた。
高域が丸まってボヤっとしたところが霧が晴れたというべきか。
ついでに外部USB経由でアマゾンのサブスクなどつまみ食いしながら
CD購入の検討をしているという感じ。 フルベンの放送録音のリリースの歴史は実に奇妙で
1950年代まではFMでの実況放送として流れ
1960年代に復帰演奏会などのライブ録音が出始め
1970〜80年代に海賊盤のリークで盛り上がり
1990年代はCD化の是非でファン層が別れ
2000年以降は板起こし、放送局蔵出し音源まで様々。
蓋を開けてみると1942〜54年のマグネトフォンによるHi-Fi録音と
1949年以降のドイツ国内のみで有効だったFM放送とが忘れられて
SP盤〜LP盤〜ステレオ録音のレコード史の流れで租借している情況だ。 1950年代のFMモノラル放送の品質についていえば
もしかしたら覚えている人がいるかもしれないが
1970年代のモノラル・ラジカセと多少似た感じがあって
AM放送を流すとステレオより音声が明瞭で聴きやすく
さりとてFM放送の音質の良さも判るという塩梅。
1950年代は英米なら高級電蓄というものがあったのだが
ドイツの場合はLP発売よりFM放送のほうが先行したので
この時代にあるのはHi-Fi対応の真空管ラジオが大多数。
それだけで一流のクラシック演奏が絶え間なく聴けたのだ。
このギャップを埋めることができないまま半世紀が過ぎた。 英米の高級電蓄といっても、カートリッジからスピーカーまで
一貫したサウンドポリシーで設計された芸術品のようなもので
デッカのデコラ(モノラルとステレオがある)をみても
パーツだけ取り出しても、ピックアップ、アーム、楕円スピーカーなど
今からみればポンコツのようなものばかりだ。
案外PX25やトランス類にサウンドの秘訣があるのではと疑うのだが
何よりも初期プレスのLP盤からして音が違うわけで
なかなか全体のシステムとして再現して構築するのは難しい。 あとクラングフィルムを中心とするドイツ製の業務用機器という手もあるが
CDプレーヤーもスチューダーやEMTなどに揃えて対処している。
お金さえあればそうしたいところだろうが、中の下くらいの一般庶民は
8千円のジェンセン製ギターアンプ用30cmスピーカーを後面解放箱に入れて
ツイーターをチャンデバ+ステレオアンプでマルチアンプでバランス調整する位で
ラジカセよりは数倍リッチな音でPAモノラル再生することをお勧めする。
実際にドイツ国民もその規格で25年間を過ごしてきたわけだし
豊かな放送録音の資産もそれで十分に満喫できるようにできていた。
ジェンセンはアメリカ製? いやいやデンマーク人の無線技師ですよ!
それとテープレコーダーの開発もデンマーク人のポールセン。
ラジオやレコードよりも先行した技術だったが
アメリカやドイツという外国で資本を得て花開いた。 冷戦で西側の息が掛かった都市でのFM放送の開始は
RIASが1952年、ORFが1953年と独墺圏では奥手だった。
1952年時点でのFM放送の送信局数は以下の通り。
Bayerischer Rundfunk 27
Hessischer Rundfunk 7
Nordwestdeutscher Rundfunk 29
Radio Bremen 2
Suddeutscher Rundfunk 12
Sudwestfunk 27
Sender Freies Berlin 2
合計 106
遅れた理由は東側のFM放送網が発達していたために
政治的なプロパガンダに利用されないか懸念していたからだと言われる。
ちなみに東ベルリンSFBのFM放送は1950年から始まっており
ザルツブルクではドレスデン(1948〜)からのFM放送を聞かないか警戒して
試験放送の際にモニター調査をしていた。(結果はORFのみ試聴)
逆のこともしかりで、ドレスデン市民がRIASに手紙を出して18ヶ月の懲役刑
ザクセン州のラジオ商会はRIASにチューニングしたかどで有罪となった。 モノラルの聞き方は斜め横からと決まっており
傍から見ると一緒に並んでいる感じがするくらいの位置になる。
スピーカーの特性も正面では中高域を強く、斜めからフラットに設定していた。
AXIOM80を聴く瀬川冬樹
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/segawa-img_0.jpg
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/segawa-img_4.jpg
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/image1132.jpg
ヤノヴィッツの自宅? ソファとラジオの位置に注目
ttps://c8.alamy.com/comp/EWDT15/sterreichische-konzert-und-opernsngerin-gundula-janowitz-in-hamburg-EWDT15.jpg
ttps://www.radiomuseum.org/r/grundig_musikgeraet_2067.html >モノラルの聞き方は斜め横からと決まっており
それは納得いかんな
ヤノヴィッツの場合、つまみを操作する都合なのは明らかだし
瀬川氏の場合は製図板が定位置だろう 瀬川氏の部屋の図面をみると、レコード側の椅子かソファベッドが音楽鑑賞の定位置だろう
それは操作の都合からも容易に想像できる
写真は単にスピーカーと持ち主を同じ構図に納めたに過ぎない
つまりこの椅子はお客用だ >>762-763
AXIOM80の斜め横30°がフラットになる設計思想は
1979年ステサン別冊で佐伯多門氏がコメントしている。
瀬川氏はソファにまっすぐ座れば斜め横からの試聴だ。
ヤノヴィッツは当時のラジオ&電蓄の聞き方として標準で
写真のために移動しているわけではないのは見ての通り。
古いドイツ製フルレンジもこの試聴位置を元に設計されている。
BBCだって斜め横からモニターしていて、パルメコも正面からだと中高域がきつい。
ttp://www.knightsaberdeen.com/LSU%2010%20RogerWilmut%20bbc%20speaker%20l1%20(3).jpg
ttp://www.knightsaberdeen.com/1000%20LSU%2010%20RogerWilmut%20bbc%20speaker%20l1%20(1).jpg
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/1950/BBC/BBC-M008-12.jpg なんで正面特性のみを中高域を盛り上げるかというと
古いスピーカーの矩形波による高調波歪み(倍音特性)を調べると
斜め横からでも倍音は正面特性と同じような分布になる。
一方で、スイープ音での応答はフラットからカマボコ型になる。
これは高域成分の録音に限界の多かった時代の折衷的な方法で
他にも真空管のリンギング、トランスの磁気歪みなど様々に存在した。
おそらくアナログ盤のスクラッチ=パルス成分も同じ効果がある。 自分は片耳で聴くのは耐え難いけどな…
モニターチェックの場合はそうなのかもしれないが
当時の一般リスナーは平気なんだろうか? それと、モノラル時代はリモコンが無かったからね
音量と周波数を合わせながら聴くからどうしてもこうなる
ヤノヴィッツがリモコン持ってたら違ったと思うよ ここの話題の半分て音質やオーディオなんだな
ジジイが集まってるのが分かるな; >>766
片耳で聴いているようでいて、ちゃんと反対側の耳で補完している。
どちらかというと実音とエコーのように聞き分けているらしい。
スピーカーを介して部屋の響きを聴くという感じになる。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/ppos-09-acoustics2.jpg
慣れるまでに少し時間が掛かるけど、慣れるとヘッドホンの頭内定位も無くなる。
自分はモノラル耳と勝手に呼んでる。
モノラル録音をステレオスピーカーで聴くというのは色々と課題がある。
ステレオによる干渉波(無響室の1本での測定とは異なる)
ttps://www.youtube.com/watch?v=HxJJepW2SZg
本来の音像をステレオに解体して組み直す
ttps://www.headphonesty.com/wp-content/uploads/2020/04/Displaying-Crosstalk-1100x743.jpg
あとステレオだとこんな聞き方はできない
ttps://i.pinimg.com/originals/7d/b9/50/7db9509d5ae9419bd6eb18e040b7d56b.jpg 1950年代のスピーカーの呼び方にリプロデューサーという言い方があるが
本来は、蓄音機の振動子(サウンドボックス)のことを指したり
ドイツ語でWiedergabegeratと検索するとテープレコーダーが出てくる。
つまりレコードやテープの信号を音響に変換する機器のことを指すのだが
1970年代頃からレコードとオーディオはマニアの棲み分けが激しくなり
レコードマニアはレコードの音質を、オーディオマニアは機械の性能を
それぞれ別個に話す傾向がある。
ところが、フルベンの生きた時代は、DIN規格の船団方式で
録音から放送、再生まで一貫した品質管理をしていた。
そのバランスが崩れたのは1965年頃からで、FMモノラル放送がなくなるにつれて
古い録音は全てAM放送であったかのような誤解を与えている。
主犯は英米伊日でリリースされた海賊盤によることは確実だが
裏ではアーチストのレコード専属契約がネックになって放送局に封印されてた。
この誤解を解いてフルベンのサウンドを解放するには
1950年代のFMラジオという規格に沿ってバランスを取り直さなければ
色々と変なことがおきることになる。 例えば、ステレオ音像を作り出すのは700Hz以上の周波数で
主に5〜10kHzの高域でセパレーションを確保している。
つまり鋭利な高域の指向性に頼ってステレオ感を出しているわけで
さらにはツイーターの反応を早く立てることで違いを際立たしている。
この高域のアクセントがフルベンのモノラル録音の一体性を削いでしまう。
普通に聞けば判るが、独特の躍動感は100〜1000Hzという
楽器の実音域で激しくひしめき合っている。
ミッドローでの出音が曖昧だと、ベルリンフィルのガッシリとした力感がぼやけて
一般にアンサンブルの乱れとされる高域の粗さだけが目立つことになる。
周波数のバランスだけでなく、出音のバランスもピラミッド型であるべきだ。 何日か前にこんな長文誰も読まないよと言ったらイヤ読んでるよと反論した奴がいたけど責任持って全部読めよ 反論したものではないけれど
私は読んで楽しんでいる。 片耳が物理的に痛くなるので「モノラル耳」は自分は無理だ
俺は一本スピーカーの真正面に陣取るスタイル
ウーファーの中心を見つめていると、向こうにオーケストラが見えてくるよ アウディーテのRIAS音源の画期的だと思ったのは
ヒデミットはともかく、ブラッハーやフォルトナーなど現在でも聴けない
比較的マイナーな新古典主義の現代曲を織り交ぜた演目を
ドキュメントとして万遍なく再現していることだと思う。
それも当時の最高の音質で記録されていたのだ。
こちらはフルベンらしくないと言えば失礼だが
あまり曲想をいじらず生真面目に演奏している。
単独で聴くとココシュカやムンクのような表現主義に近い感じのする
ブラームス3番、英雄なども造形性が浮き彫りになるから不思議だ。 フルトヴェングラーとオーディオの発展史を考えると
SP盤〜LP盤というレコード販売で考えるよりも
放送メディアの発展史で考えるほうが妥当だ。
戦時中の1942年から交流バイアス化されたマグネトフォンによる
ラジオコンサート(無観客の放送ライブ)の収録が始まったが
録音時間を細切れにせず、ぶっ通しで収録できるテープ録音は
フルベンのように曲想にアドリブを交えて変化させる指揮者にとって
本来の演奏に近い記録ができたメディアといえる。
このときの録音機材は1948年まで同じものが使用されたが
基本的にドイツ国内でのラジオ放送に限定されていたのと
戦中のテープがソ連に接収されたことにより幻の演奏になっていた。 戦時中の録音機材の更新時期が訪れたのは1949年で
ちょうど占領軍が撤退しベルリン市政がドイツ人の手中に戻った時期である。
それまでRIAS放送(AM)は20kWに制限されていたが100kWに増強し
仮の演奏会場になっていたティタニアパラストの内装を大改修して
専用のコンサートホールとして再開した。
一方で、RIASのFM放送開始は1952年まで保留され
東側のSFBのほうが先手を打って1950年からFM放送を開始した。
手間取った理由は、1948年にドレスデンからはじまったFM放送網の整備と共に
東西冷戦の前哨戦としてプロパガンダ放送への警戒感があったからだとされる。
一方で、1952年のFM放送は、高域が10kHzから15kHzまで拡張され
それに伴う音質改善は、当時のHi-Fi録音の標準を保っていた。 一方で、マグネトフォンによるライブ録音には問題がいくつかある。
まず最初に、それらがドイツ国内での放送にほぼ限定されていたこと。
今市場の溢れているもので生前にリリースされたライブ録音はほぼ皆無だ。
ベルリンで聴けたHi-Fi放送は、外国では全く知られなかった。
第二に、レコード会社による専属契約の枷が厳しく
放送局から直接オリジナルテープを市場に出すことは禁じられていた。
このため多くの海賊盤が現れたが、AM放送をエアチェックしたような音質は
フルベンのライブ録音を「音は悪いが演奏は最高」という誤解を生んだ。
ともかく高音をカットされ歪み切った音が大半だったのだから
あえて言えば戦後ドイツの工業技術に対しネガティブな印象を与えたと思えるほどだ。
焼野原のなかでか細いAM放送の電波を聴くベルリン市民というイメージだ。 第三の問題は、ドイツ国内でのHi-Fi放送がレコードの発展史と交錯し
1940年代には最先端の録音品質、1960年代には古ぼけたモノラルラジオという
両極端な評価がみられることだ。
この評価の発端は、フルベンの海賊盤が大量にリリースされはじめた
1970年代のオーディオ技術に照らしわせれば説明しやすい。
つまりFM放送といえばステレオだし、モノラルは古ぼけた電蓄の音と決まってる。
そういう時代にフルベンのライブ録音は人気が出たのだ。
このパラドックスが現在も解けないまま放置されている。 こうしたレコードのHi-Fi化の裏で忘れられているのは
マグネトフォンによる録音技術が特許の関係もほとんど無視して
連合国側の戦利品として流通し、ステレオ→モノラルの蔑視が生まれたことだ。
そのうえライブ録音のオリジナルテープのほとんどは半世紀に渡り
放送局の保管庫に厳重に管理・封印されて眠っていた。
この2つの事柄が解放されるまで
さらにアナログからデジタルへの録音フォーマットの移行があるわけで
タイムカプセルを開けら浦島太郎のようになっていたというのが正直なところだ。
その間に淘汰され忘れられたオーディオ技術が沢山あって
多くの人が録音の良し悪しを語るとき
再生方法のミスマッチと勘違いしてるように思われる。
実際にはLP盤よりも古いHi-Fi技術なのだから仕方ないかもしれない。 レコード会社との専属契約の結果として
良好な音質による記録が世に出るのが遅れたというわけか
皮肉なものだ 古便初心者です。戦後のウイーンフィルとの録音はあまりらしく無くイマイチと感じました。
古便臭を強く感じられる曲目と録音年代をいくつか教えていただけないでしょうか。 >>787
腐りかけたエサを撒きに来るな、ヴァカ。 好みでない曲を聴くのは苦痛だから、薦めてもらってまで聴かんでいいわ。
真面目に探す気があるなら、古い順に聴いていけばわかるわ。 比較するとフルトヴェングラーはオケがのってない演奏もあるから。
1947/5/25の演奏会がいいのか1947/5/27の方がいいのか、みたいな。
まあスタジオ録音はEMIは特に重要でないと感じる。 ウィーンとベルリンで全然違うよね
ベルリン風フルトヴェングラーはカラヤンに ウィーン風フルトヴェングラーはバーンスタイン
につながる
あと ウィーンはフルトヴェングラーとは別の音楽を持っていてそれに巨匠が合わせるところもある
かといってベルリンが好みかというと個人的にはウィーンのほうが評価が上だったりするかも 1942の第九とルフェビュールモーツァルトと1947DG第5 がいいなベルリンは
ウィーンは1952第九 第3 第4 第6 1952ブラームス1 1950ブラームス4 ベルリンもウィーンもカラヤンを通じて国際的になり独自色を失ったとみるべきだが
時代的にオーケストラの機能性をブラッシュアップする方向へ賛成していたと思える。
例えばクリュイタンスやカイルベルトが客演した演奏は、同時代のカラヤンより整ってる。
同様にRIAS管やウィーン響のようなスタイリッシュな演奏と聴き比べることで
都市ごとにあったクラシック音楽の文化的広がりを知ることができるし
フルベン晩年の「らしくない」演奏も十分にユニークな響きをもっていたと判る。 例えば、ベルリンフィルとのブラームス3番について
1949年と1954年を聴き比べると
49年の鬼気迫る煽り方は他では聴けないが
54年の造形的に整った演奏も捨てがたい。
そのどちらもフルベンの個性の在り方だし
ブラームスを聴くという意味でも有意義だ。 >>794
『都市ごとにあったクラシック音楽の文化的広がりを知ることができる』
ドイツの年ごとの文化的傾向を専攻されていたんですかぁ?すごいですねぇ。
一端をご披露ください。ぜひ。 ワーナーから新リマスターベートーヴェンの1番3番出たけど以前のSACDとの音質差はどうよ? >>796
例えば、ベルリンだと本来は歌劇のほうが歴史があって
ベートーヴェンのフィデリオが上演された頃は
ウィーン、ドレスデン、プラハと並ぶドイツ語オペラ上演の盛んな地域だった。
主な歌劇場が帝国歌劇場と旧シャルロッテンブルク劇場で
あとクロル劇場があったが、意外にオペレッタの演奏にも伝統があったし
ヴォツェックの初演などもベルリンで行うなどモダニズムの最先端にもあった。
帝国歌劇場の団員はRIAS管に流れたことで、戦前のモダニズムはこちらが継承。
シャルロッテンブルクは市民歌劇場として残ったが
興味深いのがティタニアパラストでフラグスタートを迎えたコンサートで
かつて首席をしたジョルジュ・セバスティアンが指揮をして
この団体の当時の実力がかなり高かったことを示す。
ベルリンフィルはシンフォニー中心の楽団で、常任のフルベンの他
多くの客演指揮者による解釈の多様性を聴かせてくれる。
もうひとつのベルリン放送響は東側に属したが
アーベントロート(ライプチヒ放送響と兼任)による手堅い演奏をする。
これにRIAS管のスタイリッシュな演奏が加わることで全体像が見渡せる。 ウィーンはどちらかというとウィーンフィルと国立歌劇場の独り相撲のようにみえるが
現代物もこなすウィーン響まで広げると
実際にはウィーンで聴けない演目がないくらい多様性をもっている。
1950年代だとモーツァルトなどの古典派の演奏ならウィーン響のほうが上品だし
オペラではモンテヴェルディからベルクまで意欲的なプログラムを組んでる。
ただウィーンフィル団員による室内楽まで幅を広げると古典派も面白いが
最もウィーン情緒あふれるコンチェルトハウスSQは元ウィーン響の団員だ。
フルベンではベルリンフィルのほうが多様性に富んだ演目をもっていて
ウィーンフィルでは新しいものに挑戦することは難しかった。
あえていえばベームが新作オペラなど正面突破を図ったというべきだが
経営の面ではかなり苦労したのではないかと思う。 ベルリンについて付け加えると
カール・フレッシュやマルティン・クラウゼなどによる器楽曲の知的な解釈で
これらの演奏家を新即物主義というのはおこがましいが
現在のドイツ的な構成力の高い演奏スタイルを築き上げたといえる。
ピアニストだと壮年期のケンプやアラウなどにその片鱗がみられ
ヴァイオリニストではシェリングやゴールドベルクなどが挙げられる。
さらにヌヴーやギトリス、イダ・ヘンデルなどを加えると
その多様性にも瞠目するだろう。
実はフルトヴェングラーは、後者の異端の天才の部類に入り
戦前のベルリンという都市がもつユニークさにもつながる。 なるほどぉ。
有難うございます。
もっと聞かせてください。 スレ違いで申し訳ないのですが、クラシックでの一番最初の録音は何なのでしょうか。
ブラームスのハンガリアン舞曲の自作自演のテンポの速さと轟音の如き雑音にノックアウトされたのですが、これより早いエジソンへの録音教えて。 20世紀的脱Hi-Fi音響論
の人が書き込んでるのか、そこのネタをとってきてるか、どっちなんだ?
最近、モノラル用のシステムが欲しくなったものだが。 >>806
まず簡単なのがドイツ製の20cmフルレンジを探すこと。
ジーメンスでもサバでも何でもかまわない。
後面解放型エンクロージャーは自作でもいいけど
アルテック 618型テプリカの背板を外したものがちょうどよく
ヤフオクで注文製作してくれる石川県の木工屋さんがいた。
(今はスリットバスレフに特化してるみたい)
バッフル板への取り付けは爪楊枝程度に薄く隙間を空けることを忘れずに。
これだけで音の勢いが変わる。
アンプはトランジスターでも真空管でも素直な音のものなら大丈夫だけど
デジタルアンプは倍音の出るタイプとそうでないのがあって良く判らない。
あとヤマハの簡易ミキサーはリバーブが優秀なのでオススメ。
個人的には昔のラジカセの丸く艶やかな音が好みなので
サンスイトランスの一番古いタイプを噛ましている。
これとリバーブの乗りが良くとても気持ちいい音を出す。
真空管と違って自分で加減ができるのが肝要など思う。 あと既にオーディオ歴も長い人(フルベンを聴く人はほとんど?)には
25〜30cmのエクステンデッドレンジ(フィックスドエッジ)のスピーカーを元に
2wayスピーカーを組むことをオススメする。(楕円型もOK)
エクステンデッドレンジにツイーターを追加してHi-Fi対応にするのは
1950年代のドイツ製ラジオでは標準の仕様であり
それより一回り大きいPA仕様にすることで大分本格的になる。
20cmと何が違うかというと、200〜500Hzをダイレクトに振動させられるかで
ここの帯域のド根性でオケの躍動感が全く異なる。
20cmは500Hz以下をエンクロージャーの反射音で補うので出音が遅れるが
そのかわりボーカルがクリアだということで、そっちに魅力を感じる人も多い。
ただしこのクラスでのドイツ製ビンテージは希少品かつ高額なので
私は汎用的なジェンセンC12Rのレプリカ(伊SICA製)を使っている。
アメリカ製だとRCAやGEのものが落ち着いた東海岸トーンで
こちらのほうが本数もあり扱いやすいかもしれない。(価格もそれなり) ツイーターの選択が悩ましく、コーン、ホーン、リボンと色々試したが
結局フォステクスのソフトドーム型に落ち着いている。
30cmエクステンデッドレンジに3.5kHzクロスで重ねているが
さらに5dB抑え込んで控えめに使っているので最低限の色付けになる。
既にLP盤を大量に所有している人には愚問だが
CDプレーヤーはそれなりに良い物を使わないと勿体ない。
最近ラックスマン D-03Xに買い替えたが(15年振り更新)
スタジオクオリティの意味がようやく理解できたと思ってる。
それまで使ってたCECのベルトドライブも低域が柔らかく
躍動感をもったアナログ的なバランスでそれなりに良かったが
やはり中低域が遅れずにキッチリ鳴らして正面突破することで
古い墺プライザーのCDでも気持ちよく聴けるようになった。 あとはランシング、タンノイなどの昔からあるスピーカーの所見だが
多くは1960年代以降のフラットネス&ステレオ対応を基調にしたもので
モノラルFM放送用に録音されたフルベンのライブ録音では
レコード会社のスタジオ録音とは品質管理が異なるように感じている。
大は小を兼ねるというが、この場合は当てはまらない。
ラジオ用の音声は、基本的にアナウンスを明瞭に伝えることを基調にしていて
200〜2,000Hzを中心に同心円状に広がる特性を持たしていて
さらに中高域での子音の明瞭度を増す工夫を受信機側で行っている。
これはSP盤からマグネトフォンに引き継がれたトーンで
1970年代にはジャーマン・サウンドとして嫌われた部類に入るが
マイクの生音を拡声するPA機器にもみられる特徴だ。
逆のケースはアセテート盤で、送信側でカリカリの音に仕上げ
受信情況が悪くても明瞭度を確保する方法で
アメリカのプレスト社のカッターレース(世界中で使ってた)が該当する。
米RCAのスピーカーなど東海岸系の落ち着いたトーンは
前提として放送用アセテート録音があってのものだと思うし
WEやアルテックも実は光学フィルムの関係でこっちの特性を選んだ。
いずれも100〜8,000HzというAMラジオ規格をめぐる音響設計の攻防だが
マグネトフォンは録音がフラット、再生側でデフォルメという方法を選んでいる。 あらためてランシングやタンノイのことだが
実は両社ともにPA機器での成功をもとにHi-Fi機器に進出しており
1950年代の製品については、その名残りを留めていた。
ttp://www.hifilit.com/Tannoy/wide.jpg
方向性が変わるのは1960年代からで
ランシングはLEシリーズ、タンノイはレッド〜ゴールドで
フラットネスの確保と高域のチャンネルセパレーションを高めた。
このときの興味が100Hz以下、8kHz以上の両脇の再生に興味が移っている。
ttp://www.hifilit.com/Tannoy/green2.jpg
これは1950年代と60年代の音質の違いとしても現れるが
フルベンのLP盤の音質の差としても現れてくるように思ってる。 こうした再生側でのデフォルメは、試聴する音圧に関連していて
通常言われるラスドネスとは反対に、中高域を高めに設定してあげることで
遠鳴りしている音を、まるで近くで鳴っているかのように
スピーカーから一歩前に出てるかのように錯覚をさせる音調で
500〜2,000Hzを+3dB/octで上げていく方法を取っている。
いわゆる音離れの良いスピーカーの設計手法である。
あらためて見てみると、大小の違いはあれメーカーごとにトーンの違いを出している。
タンノイは+2dB/oct
ttp://www.hifilit.com/Tannoy/wide.jpg
JBLは+3dB/oct
ttp://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/pro-comp/2135/page2.jpg
ジェンセンは+6dB/oct
ttps://www.jensentone.com/vintage-ceramic/c12r
この中域〜中高域を結ぶ帯域での吹き上がりが
音像の実体感の違いとして現れるのだが
1960年代以降は、ここでの歪みを嫌ってカットするか抑え込んでいる。
この帯域はちょうどRIAAのターンオーバー周波数に該当し
ここでデフォルメするとその先が見定め難いということが原因だと思うが
マイクの特性にはそういう区別はないわけで
PA用スピーカーがレコード再生で嫌われた理由にもなっている。 テープ収録とFM放送のエンファシスは、高域のノイズのみ気にしていて
テープのほうは欧州CCIRでは4.5kHz以下はフラット
ttp://www.ant-audio.co.uk/Tape_Recording/Library/EQ.pdf
FM放送のほうも同じ傾向にある。
ttps://www.radiomuseum.org/forum/fm_pre_emphasis_and_de_emphasis.html
単純には両者の間にはライズアップする帯域の非線形性が生じるのと
欧州のテープをアメリカで使用すると高域が数dB下がる。
これをみて何となく思い出すのはセブンシーズ盤の高域の丸い音調で
もしかするとオリジナルテープのコピーを使っていながら
EQの時定数を間違ってた? などとゲスの勘繰りをしたくなる。 ただデジタル録音以降にマルチトラックレコーダーの機能が後退した時期に
放送録音と同じようにマイクとミキサーのみでシンプルに収録する方法が増えて
現在のクラシックの録音の大半はそうじゃないかと思う。
つまり、フルベン時代の放送録音のダイナミックな録音方式が
一般のオーディオにも適用されているのだといえる。
もちろんフルベンの天吊り1本マイクへのコダワリには到底及ばないが。
モノラル1本録りなんて、70年遅れのトップランナーかもしれない。 オッサンの理想はフルレンジとAVアンプのDSPでフラットにしたやつなら20cmもツィーターいらない気がした。 俺は再生時のデフォルメはしたくないな
EQカーブだけ合わせて後はいじらないのが俺のやり方 >>816
周波数特性がフラットでも、スピーカーの過度特性がチグハグだと、結果が全く違う。
以前に富士通テンのスピーカーを使っていたけど、中域がダンピングで抑えられ過ぎて
モノラル時代の録音全般に相性が良くなかった憶えがある。
同じジェンセンでも16cmのものは、確かに周波数バランスは同じなんだけど
中低域の表情が重く沈み込んでいて、30cmよりも活気がなくNG。
あとパイオニアのロクハン、エレボイの20cm、ステトリアンJr、色々試したけど
この部分のバランスをどう説明すればいいかなかなか伝わりにくい。 >>817
LP盤の扱いはCD(デジタル)とは全く違う。
むしろRIAAカーブは人間の聴覚の良いところを突いてる。
CDはもっと機械的に特性を割り振ってるので
別のところで人間の聴覚にフィットさせなければ心地よくならない。 16cm は昔よくお薦めにあったけど、20cm は聞かないね。
ユニットだけなら、そんなに大きさに差は感じないけど、箱が大きいのが部屋を選ぶわ。 過去のアナログ盤が良かったと言われるのは
カッティングしてた技術師が適度にイコライザーやダイナミックレンジをいじって
レコードに収まる心地よい音をよく知っていたからだった。
ttp://www.audiosharing.com/people/gomi/kyositu/kyou_05_1.htm
それでも時代を経るごとに質が下がっているとはよく聞く話である。
フルベンの場合は、オリジナルテープの所在からして不備があった。
現在のところ、こうした作業はマスタリングという工程で行っているが
新譜のカッティング屋さんの腕が良いかどうかはグレーだと思う。
CDと同じマスターを何もいじらずにカッティングしてればあまり意味がない。
そのうち神扱いされる名人が生まれてくるのを期待しよう。 >>820
ロクハンが良かったのはステレオ初期の時代で
モノラルなら同じスペースで30cmも可能だ。 >>819
いずれにせよ俺はリヴァーブなど使おうと思わない
(ギターアンプには付いてるけどね) 近年のフルレンジで20cmはFostex以外無さそうだし、選択肢少ない >>824
基本的には20cmのフィックスドエッジはビンテージ(中古)で探すしかない。
伊SICAのダブルコーンがヨーロピアントーンで有力だったが
このご時世で手に入りにくくなった。
ただしQo=0.3でバスレフ向きなので、むしろ1960年代向き。
新品でフィックスドエッジというのはオーディオ用途では製造してなくて
ジェンセンやセレッションがギターアンプ用として復刻製造している程度。
これの20cm以下はコーン紙が重たくてダメで
25cm以上でないと本領を発揮しない。ツイーターは必須。 30cm径のスピーカーの置き場所に困るというのはステレオの場合で
モノラルの場合は人一人が座っていられるスペースがあれば十分。
1950年代の写真をみても、スピーカーとの距離も1m前後に収まっている。
ttps://media.gettyimages.com/photos/finnish-composer-jean-jan-sibelius-listening-to-the-radio-picture-id50493953?s=2048x2048
ttps://c8.alamy.com/comp/BXKYJK/broadcast-radio-married-couple-listening-to-the-radio-germany-circa-BXKYJK.jpg この手のスピーカーはQoが高くて、ジェンセンの場合は2.0を超える。
シミュレーションしてみると、バスレフだと100Hzがコンモリ持ち上がり
100Lを超える大型密閉でも、後面解放箱と低音の伸びは一緒。
なので後面解放箱のほうが伸びやかで躍動感のある音で聴ける。
オススメはアルテック618型エンクロージャーの背板を外して使うことで
ヤフオクで検索すると、注文製作してくれる木工屋さんがでてくる。
ギターアンプ用のキャビネットも売ってることは売ってるが
箱の採寸をギリギリまでいじめて、表面に壁紙を張って響きを殺しているので
あまりオススメはしない。 SABA グリーンコーンについてデータを取ったサイトがあったので紹介。
ttp://www.troelsgravesen.dk/greencones.htm
平面バッフルか後面解放箱での使用が基本で
そのままでは低音が伸びないので
この人は中央の保護フェルトを除去してQoを下げたらしい。
あと関連リンクに綺麗な箱を製作しているところがあった。(輸入は無理だろうな…)
ttp://www.butterfly-reso-speaker.de/butterfly-en.htm
どうもRIASにせよザルツブルク音楽祭にせよ、ロゴマークがバウハウスなんだよね。 1950年代のスピーカーにありがちな中高域の暴れは
良くも悪くもアクセントになっている。
ちなみにグリーンコーンのステップ応答は以下の通り。
ttp://www.troelsgravesen.dk/greencones_files/19-200_0.5mtfb_rez-box_-28.2dB-step-resp.jpg
時系列的に最初の立ち上がりが高域で
次第に低域へと移行していくのだが
高域に強いパルス性の癖のあることが判る。
これがいわゆるドイツ的なカッチリした音調の正体である。
私のシステムのJensenも例に漏れずそのままだと暴れ馬なのだが
高域を3.5kHzで切ることで中高域の暴れをスッポリ抜いていることが判った。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/image584.jpg
3〜6kHzの強い分割振動は強いパルス性の立ち上がりを示すが
そこをカットすると下の帯域までスムーズなステップ応答が画ける。
つまり本来のピストン運動での振動を確保していることが判る。 私のモノラルシステムの音響特性は
最終的には昔の映画館の規格に近くなっている。
(青破線は戦前のアカデミー曲線)
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/image418.jpg
これは例えばEMG Mark-Xという、お化けホーン蓄音機と一緒で
いわゆるホールトーンを再現するアコースティックな特性なのだと思う。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/image554.jpg
ttps://www.youtube.com/watch?v=wILO4UU2Dp0
これを聴くだけでも200Hz付近のレスポンスの重要性が判る。 それは機材のクセを聴いてるという話で録音された音を聴くから離れていっているのでは? 現在の癖のないスピーカーとはこういうこと。
ttps://www.stereophile.com/images/styles/600_wide/public/616bwsp.promo_.jpg
ttps://www.stereophile.com/images/616BW802fig2.jpg
ttps://www.stereophile.com/images/616BW802fig6.jpg
これに合わせた録音と、そうでないシンプルな録音があって
多くの人は新しいほうが正しいと思い込んでる。
フルベンの時代のオーディオ技術は、さしずめ7周遅れのトップランナーだな。 >>833の3個目のグラフ(ステップ応答)について説明すると
3個の山はツイーター、スコーカー、ウーハーの順に並んでいて
ネットワークによって生じる位相の変化を示している。
特徴のひとつは各ユニットが滑らかに繋がっており
クロスオーバーでの変化はそれほど感じないこと。
さらに各ユニットの音が分離しており濁らずに分解すること。
4kHz以上のツイーターは定位感や音場感を担当しパルス成分がかなり鋭い
350〜4,000Hz(実際は700〜2500Hz)は音色や声色の実在感を担当し
400Hz以下で中低域〜重低音を担当している。
この中域と低域の分離を大きくとっており、中域のクリアネスを強調する。
と言っても、ほとんどの人は中域の音色は区分けがつかないので
木管楽器などの分解能が良いというほうが判りやすいだろう。 ところが、4kHz以上の帯域を定位感に割り当てる方法が確立したのは
1970年代中頃にBBCがサウンドステージのモデル化を提唱して以降で
LS3/5aやLS5/8などが出て、インパルス応答をコンパクトに収めるようにした。
それまでは、どちらかというと平面的な広がりのある音場感のほうが優勢だったし
パルス波をコンパクトに収めすぎると音が痩せてギスギスしやすい。
1960年代のマルチ録音ともなると、10kHz以上はノイズが雑多に混ざっているので
初期のマルチ録音は前後感覚がアベコベに聴こえることが多い。
フルベンのライブ収録ともなると、中高域からザワザワした観衆ノイズが目立って
全体に漫然とした印象で部屋を満たすことになる。
これは電気信号の正確な再現ではなく、人工的な癖が大きく関与している。
結局、ミッドレンジ以下に頼って音色や躍動感を掴むことになるのだが
低域の鳴りが遅れるため700〜2,500Hzを中心として把握するのは
スピーカーの規模感で考えるより、ずっと狭い帯域で判断することを強いられる。
単純にいえばピラミッド型のようでいて、釣鐘型の支持で高域にぶら下がり
その支持点を失うことで、全体のバランスが成り立たない構図になる。
録音方式が50年間で大きく変化しており、ミスマッチとなっているのだ。 参考までにBBCでのサウンドステージ構築に至る過程を紹介すると
元は1940年代にEMIの録音技師 ブルムライン博士のバイノーラル理論に由来するが
1970年以降にFMステレオ放送をする際に、何が家庭で最適な音響かを調査するため
Acoustic Scalingと称して、小さな模型ホールを作ってシミュレーションした。
ttps://www.bbc.co.uk/rd/publications/rdreport_1970_13
ttps://www.bbc.co.uk/archive/acoustic_scaling/z6p4bdm
ここで判ったのは、ニアフィールド・リスニングでのサウンドステージの再現であり
様々なホールの響きの違いは4kHz以上の残響音のわずか0.1秒差程度で生じる。
この成果を元に開発されたのがLS3/5aであり
BBCがFMステレオ放送の録音方式と共に総合的にプロデュースした試聴方法となる。
ttps://www.bbc.co.uk/rd/publications/rdreport_1976_29 BBCによるサウンドステージのモデル化が完成する前後で
クラシック録音の奥行き感や定位感に変化が生じた。
いわば奥行き感と引き換えに音像が薄くなり迫力が出ない。
まさにこのときにフルトヴェングラーの発掘ライブ音源に多くの人が驚愕したのであり
同時期に頓挫した4chステレオも相まって、それまでの進歩主義に疑念が生まれた。
ただしオリジナルテープの本来のクオリティからかなり落ちた状態で流布され
多くはAM放送のエアチェックより低い音質、1950年代のアンティークを模していた。
それでも十分に伝わる演奏の凄さがあった。それが20世紀のフルトヴェングラー論だ。 日本でのモノラルHi-Fiの歴史を紐解くと意外に情報が少ない。
国産LP盤がようやく手元に届くようになった1956年(昭和31年)の
松下電器の冊子を見ると8P-W1(ゲンコツ)を用いたHi-Fiラジオがあり
当時レコードを買えなかった人にもHi-Fiを楽しんでもらおうと
ラジオ局のほうでも色々と工面していたようだ。
AM放送でHi-Fi? と怪しむかもしれないが
NHKでも広帯域放送の実験をしていて
それ用の広帯域IFTも部品として販売されていた。
今だと混信を避けるために4kHz付近からロールオフするAMラジオも
10kHz、15kHzと広げて可変することが可能だった。
この頃からNHK技研の指導の賜物か、周波数特性はフラットと決まっており
1959年にFMステレオ放送用に開発された2S-305モニタースピーカーをもって
その後のHi-Fiの定義はほぼ完結する。
荻昌弘氏がはじめてフルトヴェングラーのLP盤に接したのが1953年。
手巻き蓄音機を大事にしていた事以外に当時のことを知るすべがない。 ただゲンコツもロクハンもそうだが、標準箱での低音のコントロールが緩く
団子状にボヤっと広がるような低音と、アナウンスの子音を際立たせる音調があった。
このことは1979年にステサン別冊のフルレンジ特集でも指摘されていたので
1950年代のHi-Fiが周波数特性重視で出発していたことが判る。 荻昌弘氏は1968年は「ステレオ」という本を執筆したが
そこでフルトヴェングラーとシューリヒトへの愛着を語っている。
1960年代のステレオ装置はYL音響を中心としたもので
ウーハー:パイオニアPW-38C×2本
ミッドレンジ:YL音響 555+M130ホーン
ツイーター:YL音響 SH180
クロスオーバーは、おそらく250Hzと3kHzだったろうと思われる。
箱は岡田諄氏の設計とのことで、システム全体の見立てもお任せで
故障したときは先生に電話で依頼してたらしい。
アンプはパイオニアSM801(7591プッシュ、タムラトランス使用)
カートリッジはオルトフォンSPU-GTEがお気に入り。
これを10畳間の壁面一杯に置いていたという。
この頃、YL音響はコーンウーハーを開発しておらず
パイオニアのウーハーを付けたシステムを販売していた。
1968年に長岡鉄男氏が訪問した際には
「シャープで歯切れの良さと迫力」「スカッとした目の覚めるような音」だが
「最近はモーツァルトやバッハが一番好き」とのことで
1970年代にはスペンドールBC-IIとラックスSQ-38Fの組合せに変わった。 同じホーンスピーカーの大家として池田圭氏がいるが
1978年にラジオ技術に盤塵集という連載の途上で
「フルトヴェングラーの海賊盤」と題して5ページほど書いていた。
フルベン・ファンにはあまり話題に上らないところをみると
あまり好意的でない意見のようにも思えるが…
あるいは氏のことなので、セカンドコピーくらいのテープを持っていたかも。 スペンドールの名前が出たけど、フルトヴェングラーの再生に向いているか、分からないですよね。
「現代版LS3/5a」目指したブックシェルフスピーカー「Classic 4/5」
が、この前出たのですが密閉型なので、壁に付けて置いても、という扱い易さはあるのですが。 >>843
スペンドールの選択はやはり最新のオーディオ事情にキャッチアップするためで
けしてフルトヴェングラーの再生を第一に考えた結果ではないと思う。
私自身は1970年代以降の再生技術から離れることを勧めたい。
ちなみに前作のBC-Iから、インピーダンスの乱高下が話題になってた。
ttps://pinkfishmedia.net/forum/threads/the-bbc-ls3-6.238588/
理屈よりは結果という天才肌の人ではあるが、BBCはLS3/5aで採用をひっくり返した。
1990年代にドイツ放送協会向けに120/1Aを開発したが、設計思想は1970年代のままだ。
ttps://www.stereophile.com/content/spendor-s100-loudspeaker-measurements
実際の録音現場ではAKG K240ヘッドホンなどが活躍していた。
ただこれも1970〜80年代の録音に興味のある人には良い選択肢だと思う。 実際にBC-2が使われている光景は少ないが
以下のような狭隘なところに適していた。
ttp://www.orbem.co.uk/cr/recruit.htm
ちなみにLS3/5aは地方局で置き場所に困らない点で重宝された。
スピーカーの置き方が理論通りになっている点に注目。
(普通のスタジオは並行に置いている)
ttp://www.stanlaundon.com/tees/studio2.jpg
LS5/8を使用するスタジオでは、一般の録音スタジオと同じくオーラトーンを配置。
ラジオ用音声としてのバランスを確認していたのと、それがポップス向けだと判る。
ttp://www.orbem.co.uk/final/8a.htm ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています