フランス国内でルノー製乗用車が、パワステの故障が原因で交通事故を起こした。

ルノー車のパワステには、オムロン製コントローラが搭載されており、同コントローラ
にはSH70xxというマスクROM搭載1チップマイコンが搭載されていた。

パワステ故障の原因はSH70xxの故障だった。

SH70xxの不良解析を担当した林誠主任技師は、

「故障の原因はラッチアップだ、それしか考えられない」
「ラッチアップの原因はノイズしかない」

とひたすらノイズ印加試験を繰り返したが、故障は再現しなかった。実は故障場所は
マスクROMのマットの上であり、そこにはN-MOSしか存在しないので、回路構成上
ラッチアップは起こり得ない。

焦った林誠主任技師は、部下の青木技師に命じて、サンプルチップの回路をFIB加工
で故意にラッチアップが起きるよう改変させた上、最大エネルギー最大時間のノイズ
を端子ではなくシリコン内部に直接印加した。そして破壊・溶断した箇所のSEM写真を
撮影し、

「再現しました」

と言って、オムロン、ルノー、フランス当局に提出した。これは偽装であり虚偽報告である。

林誠は現在、技術士の資格を取得し、林技術士事務所を開設している。
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