昔レーガンさん迎えるコンサートを幕張メッセでやった時コーラスで参加したんだけど
メインの歌手は田原俊彦さんだったんですが
リハーサルからすげえかっこよかったんですよ。
でも登場するゴンドラが引き揚げるタイミングがいい加減で、でも演出的に凄く大切なとこだったから
最初田原さん我慢して丁寧に『すみません、タイミング合わないんで、ちゃんとお願いしたいんですけど』とお願いしてたんですよ。
でもあまりにいい加減なんで田原さんついにキレて怒鳴ったんですね。
これ、当たり前です。本番直前の緊張したリハーサルでの出来事で、有り得ない事でしたから。
そしたら本番でどうなったと思います?、今までに無く有り得ないタイミングでとっととゴンドラが引き揚げられて…多分くだらない仕返しだったんでしょう。
コーラスの僕らも『うわっ、ひでえっ!!』って思ったくらいのタイミングですから、田原さんはもちろん怒り心頭です。
田原さんは一度後ろ、僕らの方に振り返り目をつぶり歯を食いしばり、集中し、気分を変えて頑張りました。
もうひとつ、早替えして小ゼリから飛び出て来る演出の時に
帽子から衣装まで黒の筈が
帽子だけ真っ赤で、これもリハーサルで1回も無かったから僕ら『あっ!!』て思ったけど、田原さんはここもかっこよく帽子を投げて
うまくやり過ごしました。
終了後僕らは彼の素晴らしい機転とパフォーマンスに大拍手を送り、彼も嬉しそうに応えてくれました。
要はプロ意識だと思うんですよね。
国賓を迎えた大切なコンサートの本番で故意か偶然か、田原さんの足を引っ張ってしまった稚拙なスタッフ、
それに瞬時に対応し見事にステージを演じきった田原さん。
どちらも看板はプロフェッショナルの筈でしたが
一方は最低、一方は絶品という結果で、最低は絶品に救われたのです。
プロフェッショナルの看板掲げる最低な輩は意外に実在し、
多方面でなあなあなくだらない仕事をしています。また彼等はなぜか共通して下品です。