『トマスによる福音書』は、1945年にエジプトで見つかった『ナグ・ハマディ写本』群に含まれていた文書で、
114の文からなるイエスの語録集である。本文中に使徒トマスによって書き記されたとあるので、この名がある。

トマスの福音書 1
そして、彼が言った、「この言葉の解釈を見いだす者は死を味わうことがないであろう」。

トマスの福音書 37
彼の弟子たちが言った、
「どの日に(神としての)あなたは私たちのもとにに現われ、どの日に私たちは(真実の)あなたを見るでしょうか」。
(いつになったらあなた言っていることを本当に理解出来るようになるのでしょうか?)
イエスが言った、
「あなたがたが、恥を取り去り、着物を脱ぎ、
小さな子供たちのように、それらを足下に置き、踏みつけるときに、
そのときに あなたがたは、生ける者の子を見るであろう。
そして、あなたがたは恐れることがないであろう」。

トマスの福音書 107
イエスが言った、
「王国は百匹の羊を持つ羊飼いのようなものである。
それらの中の一匹、最大の羊が迷い出た。
彼は九十九匹を残して、見つけるまで、その一匹を探した。
彼は苦難の末に探し出し、その羊に言った
『私は九十九匹以上にお前を愛する』と」。