見てると音声学と矛盾するとか因縁つけとる人多いけど、この本は要するに、ジェネラルアメリカ英語音声学を、学術用語を使わずに、実践的練習方法などに置き換えてるだけで、音声学と全く矛盾しない。

費用をかけずに伝わるレベルの発音を身につけるには、本書は間違いなく効果的。
日本人が特に苦手なL音とR音、本書のA音とu_音などは確実に区別できるようになる。

多くの英語学習者は音声学をとことん学ぶつもりはなく、単に発音を学びたいだけだろうから、ある程度のレベルに達して以降伸び悩んでいる英語学習経験者らの発音習得のスタートとしては、本書は有益。

しかし、著者は、音声学素人にも分かりやすくするつもりで本書を執筆したのだろうが、やはり音声学学術用語を完全に排除して発音を語るのは、多少言葉足らずにならざるを得ない。

なので、効果的な学習の為には、英語音声学の本と合わせて読むことをお薦めする。
そうすれば、音声学教本に不足している実践的練習法を学べるし、また本書に不足している音声学についてのより深い知識も学べる。

なので私個人は、ほかの英語音声学の本なども参考にして、本書の内容を自己流アレンジして使った。

例えば、習得すべき発音の数はなるべく少なくしたいので、北米ではかなり広範囲で受け容れられてるいわゆるcot-cahght mergerを自己採用し、本書でいうAu_音は本書のA音で発音している。

ほかに、BON BON BONは私個人には長いシラブルのリズムが取りづらかったので、STRONG STRONGに代えた。

あと、-PL#, KL#, TL#なども、ジェネラルアメリカ英語ではけっこう一般的なPu_L, Ku_L, Tu_Lで発音することにしている。