〓家ゲーソフト市場はスマホゲーム市場の2割未満〓
 ゲームの市場規模から見れば、メインはスマホゲームであり、家庭用ゲーム機は既に傍流に過ぎません。ゲーム業界団体のCESAが発行する「CESAゲーム白書」によると、
2018年の家庭用ゲーム機(ハード)市場が1710億円、ソフト市場が1796億円です。「2018年」と「2018年度」で期間が3カ月ずれるため、あくまで参考としての比較になりますが、
ハードとソフト合計の3506億円でもスマホゲーム市場の約3分の1、ソフトだけで比べれば2割にも届きません。

 しかし、家庭用ゲーム機用ソフトは、定期的にシリーズものを展開し、10年、20年にわたって収益が見込めるビジネスモデルを確立しています。
東証一部上場企業の決算を見ても、家庭用ゲーム機を展開する企業は軒並み好調で、逆にスマホゲームを主力にする企業はほぼ苦戦の傾向にあります。

 ゲーム業界に詳しいゲーム教育ジャーナリストの小野憲史さんは「要するにガチャ以上にもうかる仕組みがまだ発明されていないからです。
以前は複数作り、うち一つが当たれば良かったのですが、開発費用の高騰でそれが厳しくなってきたのです」と指摘しています。
そんな状況に見切りをつけて、少人数でのゲーム開発に取り組む「インディーズゲーム」などを手掛ける流れもあります。

 「ガチャ」を武器にここ10年で急成長したスマホゲームですが、次のビジネスモデルを確立しないかぎり、このまま血みどろの競争を続けることになりそうです。
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【参考】元ソーシャルゲーム開発者が語る、ガチャの功罪とは──「繊細に綿密に作ったゲームが、ガチャの快感になぎ倒されていく」(電ファミニコゲーマー)
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/200526a