ぎ去りけるものを言ふ、即ち(私は家を建てけり)等の如し。
充分引続過去とは、嘗て為したる事、或は有りし事をの他ぶ有りたる事、或は為したる事と比ぶるものと言ふ。
即ち(彼が卒業した頃に私は卒業して居た)(彼が来て居たならば私は咄した)等の如し。
第一未来は将来に起る可き事を其の事の外に起る可き事と比ぶるものを言ふ、
即ち(彼が来ませう頃に私は出て居ませう)(私が出て居ませう頃に彼が来ませう)等の如し。
時法働詞の前置字と同一の前置字を日月年夜等の語頭に附加すれば次例の如し。

del   日   yel    年
adelo  今日  ayelo  今年
ädelo  昨日  äyelo  昨年
edelo  一昨日 ehelo  一昨年

(以上三十五頁)