1. 標準日本語では /o/ と /wo/ は区別されていて、目的語マーカーの接語は /=o/.
/wo/ を使うのは過剰修正か言語干渉(話者の母方言との)。気取った大衆音楽の歌手がよく使うね。
両者が区別できないのはオークとウォークが区別できない残念な耳(標準日本語の話者としては)。

2. 過剰修正にはローマ字入力の影響もあるだろう。
あれは実際には orthography ではなく transliteration. つまり、音韻 /wo/ ではなく 文字{を}に対して入力 "wo" が当てられているんだが、言語学的リテラシーがまるで欠けている日本語コミュニティー(3. を参照)にあって、そこを勘違いする人は大変多いだろう。

3. “「を」の発音が [wo] だ” という表現は「文字が言葉の本体であって、音韻や音声はそれを読み下した付随物に過ぎない」という言語観を反映しているが、言語学板にさえいまだにこんな迷信を持った人間がいることが残念でならない。