>>38
>格というからには述語動詞(句)に対する名詞の意味上の関係性を指し示すもの
>という認識をもっていましたが
 言語学用語辞典などで「格」に関してそう定義している場合、
必ずそこには「主に」「典型的には」といった但し書きが付いているはずです
そして属格や呼格などには当てはまらないとも書いてあるのが普通です
 属格名詞が名詞に対する修飾語となるのは属格の役目の一部に過ぎません
属格にはほかに、属格支配の動詞や前置詞の目的語になるという役目があります
どういうことかというと、特定の動詞や前置詞はその目的語となる名詞に、
必ず(対格や与格や奪格ではなく)属格を要求するのです
 そもそもすべての名詞と代名詞には属格形があるのですから、
もしこれを形容詞と呼ぶことにしてしまったら、辞書には名詞と代名詞のぶんだけ
形容詞の項目を増やさなければならなくなってしまいます
「修飾すれば形容詞」と定義付けてしまうと、動詞の分詞形あるいは日本語なら連体形も形容詞となり、
逆に日本語の形容詞は連体形以外は形容詞にあらず、といったわけのわからないことになります
実際には印欧語でも形容詞には修飾だけでなく叙述(述語になる)という機能もあるのですが