種田山頭火の1935年の日記の例「私は酒も好きだが、菓子も好きになつた(中略)、辛いものには辛いもののよさが、甘いものには甘いもののよさがある、右も左も甘党辛党万々歳である」
https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=148

初出は上記だという
酒に対して「辛い」という感覚が前提にあるのは明らかだろう

今でこそ「激辛」の菓子やラーメン、海外料理などは珍しくないが、このような舌がしびれるほど辛く、人によっては食べられないような食べ物が流行したのはせいぜい1980年代ごろからである。
それより前はそうした人を選ぶような辛いものはなかった。
したがって、人を選ぶ「辛いもの」として酒を意味するケースが増えていったのだろう。
したがって、「激辛」ブームによって人を選ぶ「辛いもの」が多様化した現代では「辛いもの好き」を指して「辛党」と呼ぶのはなにもおかしくない。
むしろ「酒=辛い」という言語感覚が薄れつつある現代においては酒好きを「辛党」と呼ぶのは果たして正しいのか、という視点すら持たれてもおかしくはないはずである。