2013年1月7日
●研究所職員、3分の1が抑うつ状態―つくば
筑波研究学園都市交流協議会が意識調査
つくばで働く研究所職員は、
つくばエクスプレス(TX)の開業で生活環境が改善されたものの、
職場環境はストレスで心身の不調感を持つ職員が依然として多く、
約3分の1が抑うつ状態に陥っていることが、
つくば市内の産学官で構成する筑波研究学園都市交流協議会(筑協)がまとめた調査結果で分かった。

自殺意識がある職員の割合も前回の2006年度調査時から変化がなく、
筑協では「つくば地域の包括的メンタルヘルスシステムの構築が重要」と認識している。

◆つくばの愛着度過去最高に
つくばでは1985年の科学万博開催前後に研究者の自殺が相次ぎ、「筑波症候群」とも言われた。

筑協は精神衛生対策ワーキンググループ(現労働衛生専門委員会)を設置し、
生活・労働環境の向上と精神衛生上の環境改善に向けて、
88年度に初回の研究所職員の意識調査を実施。
調査は5年に1回実施し、今回の11年度調査は6回目で、
65機関の約2万3500人を対象にし、約1万600人が回答した。

生活環境に関する満足度では、文化活動への不満が96年度から徐々に減少し、治安への不安も06年度から減少傾向。
交通手段への不満は、TX開業で06年度に大きく減少したが、今回は再び不満が増加した。

職員の精神身体的健康で、うつ状態の調査は質問文が前回と異なり、比較はできなかったが、全体の3分の1が軽度抑うつ状態となる点数だった。