延伸にコンクリ新手法 細かな灰使用 構造物の劣化防止
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017081402100012.html

>北陸新幹線の敦賀延伸に伴う橋りょうなどの工事に、構造物を劣化させるアルカリ骨材反応を防ぐ新手法を使ったコンクリートが採用される見通しとなった。
>鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)は既に石川県内で試験施工しており、将来的にすべての整備新幹線の工事で使われる可能性がある。
>新手法を考案した金沢大の研究者は「適切に維持・管理すれば、百年は劣化に耐えられる」と説明する。

>新手法によるコンクリートが「国家プロジェクト」に採用される方向となり、三十年にわたり研究してきた金沢大の鳥居和之教授(64)は感慨ひとしおだ。

>北陸では、アルカリ骨材反応で劣化が進み、二十〜三十年後にはコンクリートの中の鋼材が切れて強度が保てなくなると推定される構造物がある。
>これらの現状を指摘し、訴え続けてきた。

>節目となったのは十年前の能登半島地震の復興工事でかかわった能登有料道路(現のと里山海道)の補修。
>問題の深刻さと対策の必要性を浮き彫りにした。国、自治体や民間の土木技術者らを巻き込んだ研究会を組織し活動を続けてきた。

>三年前には、金大をはじめ、金沢工業大や石川工業高等専門学校、長岡技術科学大(新潟県)、福井大の研究者らで構成し、
>鳥居教授を責任者とするグループの研究が、国の「戦略的イノベーション創造プログラム」に採択された。
>三億五千万円の国費が投じられ、五年計画で実証試験を重ねている。

>鳥居教授は「北陸では財源、人材、技術力が不足する中、いかにインフラを維持、管理することが喫緊の課題。
>だからこそ産学官が一体になって新しい技術を開発できる。一つのモデルケースになればうれしい」と話している。