>>31
――海外と日本で、著作権に対する考え方が違うのでは?

浅石:日本の専門家には、「著作権は基本的人権だ」と位置付けたうえで、議論してほしいと思っています。

これまでの専門家のものだった著作権が、デジタル時代になって、一般国民のものになってきたんだ、だから著作権法を変えなければいけないんだ、という人も多くいます。

しかし、歴史から考えると、フランス革命で、市民が血を流して、命を賭して、勝ち取った権利の一つが著作権です。
だから、ヨーロッパではデジタルの時代になるずっと前から「著作権は市民のものだ」と考えられています。

これまで、著作権を専門としている日本の弁護士の多くは、アメリカに留学していました。
しかし、日本の法律は、基本的に大陸法がもとになっています。
とすると、やはりヨーロッパへ留学する弁護士も増えてほしい、そう考えています。
企業側の論理が優先される状況が続いていますが、創作者・クリエーターの保護を第一に考えられる、そういった弁護士が増えていくことで、文化発展につなげていければと考えています。