こんなことは皆の衆には常識だわな、何も目新しいことなど無いかと思ふ

吾人は18の時にフィンランド語を勉強し始めた。
芬語でりんごは omena という。
発音はそのままラテン語やスペイン語みたいに読んでもらえばいい。
吾人は「おまえ、こりゃうめーな!」と覚えたw

芬語文法はやや・ややこしいw
omena の複数主格は omenat だから、
there are some apples on the table を
*pöydällä ovat omenat と訳したら、
フィン人の先生にいきなりダメ出し食らった
pöydälla(単数主格 pöytä)'on the table'、ovat(不定形 olla) 'are' だからダメなはずはない

吾人のフィンランド語の先生は日本語が堪能で大変美人で優しかったから、このように説明して下さった:
そのりんごって、普通にりんごが複数個テーブルの上にあるだけでしょ?
omenat というと、何か特定のりんごのことになるから partitiivi(分格)を使って
pöydällä on omenia と言いなさい、と。

んで吾人は早速「それって on 'is' じゃなくて、やはり複数ならovat じゃないんですか?と食らいついた。
先生曰く、ovat というのは omenat という形が文の主語になる場合しか使えないから、単に何の特定も受けないりんごなら、何個あろうが on(三単現)です、と。

ここに至って吾人はようやく納得した。
我々が通常「複数」という文法概念で理解しているものは芬語では2通りの解釈になる
@ some apples:バラバラに存在する、まとまりのない複数個のりんご
A the apples:特定のりんご複数個(例えば今日吾人が買ってきたところのりんごとか)

んで、芬語文法で@の場合は動詞は3人称単数現在形のままなのである。