■日本の高学歴ボンボンのラップなんて「しょせん小手先のお遊び」?

名刺を捨てた男 #010 ラッパー・Zeebra『夢を諦めて社会に取り込まれる葛藤』という記事を読んで、とある20代男子がこうつぶやいた。
「……でも有名な話ですけど、Zeebraは名家出身で名門校をドロップアウトしたって経歴ですよね。ロックバンドとかラッパーが高学歴ってなんか違う気がする。
ビートルズは労働者階級のヒーローだったじゃないですか。
大卒自体がある程度裕福なはずで、なんか、ロックンロールじゃないよな、ヒップホップじゃないよな。
ボンボンほど遊びまくって悪いことするって言うけど、それを歌詞にされても、やっぱ感動できないですよね」。
高学歴のボンボンがロックとかラップとかやっても、どれだけワルかったって言っても、そんなの「ヒリヒリした痛み」や「抗えぬ屈辱」や「飢えの記憶」とは無縁の、
しょせんモテるためだか何だかの小手先のお遊びじゃん。
くだらない商業主義に乗せられてちやほやされて、ホントのところは広義の“J-POP”じゃん。そんな、
“ 反骨のロックンローラー”や “ リアルなストリート育ちのラッパー”
、そして彼らのファンたちが持つ意識は根強い。そして、90年代以降いまに至るまでの邦楽シーン周辺を見渡すと、実のところ東京6大学出身や関西の有名大学
、ことによっては海外名門大学出身のバンドやミュージシャンがひしめいている。