王族(皇族よりは広くとらえたいと思う)ゆえに
無位(位階に叙せられない)・無官(誰にも仕えない)だった可能性もないではないと思う。
宇多天皇は源姓をもらって源定省となった時期があったが、
彼が天皇になれたのは生涯を通じて宮仕えしたことがほとんどなかった=ほとんど誰にも仕えてないから、
天皇になるのに好都合だったのかもと岡野友彦は説く(講談社新書『源氏と日本国王』)。
王族には特に何も仕事してない人がけっこういたらしい。
後嵯峨天皇も、天皇になるちょっと前までは親王(宣下を受けないとなれない)ですらなく、公職には就いてなかったと思われ。
高見・高望ぐらいだと、まだ天皇になる可能性がゼロではなかったから無位無官だったのかも
(桓武天皇なんか、親父が天皇になるまで天皇になる見込みゼロだった)。
その子の代には、鎮守府将軍、常陸大掾、上総介などになったというんで、天皇になる可能性が父の代よりずいぶん下がったんだろう。
平将門の新皇もその辺があったのかもね。

天皇制ってそんぐらいおおざっぱじゃないと続かないんじゃなかろうかとも思う。