というか、天皇と比較すべきはまず中華の帝王、
あと無論、王が神とされた、一神教がメインになってない国々…だから朝鮮やベトナム・タイなどの王だと思うのだが、
何か知らんがヨーロッパと比較したがる人が多いよな。
どうしても日本ではヨーロッパ・北米・中国・朝鮮に歴史的関心が偏るのだろうが、ヨーロッパなんか日本とすごく遠い≒似てない社会だと思うんだが。
一神教では帝王とて人に過ぎないから、日本がキリシタンに制圧されてたら、天皇の神性も削ぎ落されておったろうな。
もっとも、ヨーロッパの王や、イスラム圏のスルタンは神さまっぽさも引きずっているが。

あと、「カノッサの屈辱」で知られるように、ヨーロッパの皇帝はそんなにはすごくもない感じ。
皇帝と言っても王とあまり違わず、オーストリアの皇帝はボヘミアやハンガリーの王も兼ねていた。
いや、「天皇はエンペラーだからローマ法王より偉い」なんて馬鹿げたこと書くねらーが散見するもんでね。

屁理屈レベルの話になるが、ヨーロッパの文脈で皇帝とはローマ帝国の元首なんで、
東ローマ帝国の皇帝が一番正当で、次点でオーストリアとロシアの皇帝も正当ということになって、
考えようによってはオスマントルコのスルタンこそ最も正当な皇帝とも。
ナポレオンはまだしも、プロイセンの皇帝はさすがに正当性に疑問が。
あと、言語的理由もあって、ブルガリア王を皇帝、国を帝国と呼ぶことも(帝国も王国も同じ語なので)。
もっとも、ヨーロッパで皇帝が王より偉いって感があったのは古代だけじゃなかろうか(それも多分に名目的で)。