清原は武士化『完了』しているだろう。
桓武平氏から成衡を次期当主に迎えているし、その前代からすでに当主は桓武平氏からの招婿だったという説もある。

一方、安倍氏にしても、まさに桓武平氏、秀郷流藤原氏の両氏から婿を迎えている最中だった。

前九年役が無ければ、このまま両氏とも「源平藤橘」に父系での「表札」の掛け替えをしていったのだろう。

逆にいえば、
前九年役があったおかげで、その一世代前に関東で行われていった「表札」の掛け替えも、このようなものであったのだろう、という想像がつく。

その意味で前九年役(陸奥話記)は貴重と言える。