大国主を国の主とする由縁は
販路の構築や流通の整備を行い、それらをシステム化させることによって
諸地域の関係をそれぞれの地域の人々に一般認識として顕在化させ
地域の首長間で公式な結びつきを行わせたことにあるのではなかろうか。
いわば倭国内における国際法を整備したことにあるのではなかろうか。
それゆえ、その後の倭国のどの政権も大国主のシステムの中で
国内外交をせざるをえなくなり、大国主の存在感は増した。

たとえば、今国際関係を決めている国際法は17世紀のヨーロッパの国家間の諸問題を
調停するために生まれたものである。それゆえヨーロッパ独自の思想的背景に依拠した
概念によって現在の世界各国は縛られている面がある。
主権国家という概念などは、トルコ帝国や清帝国の主催した秩序と合わず紛争を起こす元となった。

それと同様に、とくに本州において大国主が主導したいろいろな枠組みが
その後の本州における政権に与えた影響は大きかったと思われる。