>>799
戦さたぁ、今じゃ云う好機をのがさんことじゃし、前線下級指揮官と兵の独断で
決めるもんじゃし。
http://tomhana191.exblog.jp/2256087/
『華中第一線』 当時法政大学名誉教授であった森戸太郎氏の序文から引用されとる
のう。 そして戦争とは私達が考えているように、イメージしているように参謀達の
作った作戦計画通りにそもそも始まってくれないということ。考えも及ばない時間と
場所で突然バタバタと始まる。
だから戦争とは最前線の下級指揮官の手仕事だともいえる。最前線の下級指揮官と
兵士の英知と英断、度胸と機敏さが結局戦局を制し勝敗を決する。ということは
戦争の真実とは第一線の戦闘参加者でなければ判らないということだ。」
勃発的なんは放っとけんけぇのう。マレー戦でものう。広島育ちの越智春海
元陸軍大尉が書いとられる。
『私たちはタイ式の軍服を着ているので、とても人気があった。突然、烈しい銃声が
おこった。 「ありゃりゃ。やり出したでぇ」「相手は、どこの軍隊ならァ」
「タイに決まっとらァや。ラッパなんか鳴らしやがるけん、こういうことになるんよ」
いよいよ猛烈な射ち合いになった。砲声もまじって来た。敵の砲声らしかった。
兵隊たちは、もう善人面ではなかった。闘犬が相手を発見した時の、 あの筋肉の
痙攣が、全身を走っていた。何かを探るような沈鬱な目は、 殺人者のみが持っている
こわい色だった。それはたぶん、世界中の女性を失望させる、ショッキングな色合い
だった。
「前へ!」 市川大隊長の右手が、ほんの十センチほど動いた。それで充分だった。』