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「自女王國以北 特置一大率 檢察諸國 諸國畏憚之 常治伊都國 於國中有如刺史」

この文章の前後の文章は全て女王国か女王に付いての説明文であり、主語が書かれてない場合、主語は女王国か女王である。
主語が女王国や女王と異なる場合は主語を読み手に知らせる為に「諸國畏憚之」のように明記されている。

痛説では「常治伊都國」の主語は一大率とされるが「一大率常治伊都國」と主語が明記されていないので「常治伊都國」の主語は女王である。

また、一大率は自女王國以北に置かれているので同時に伊都國に常駐して諸国を治めることは不可能であるし、一大率の職務も檢察の諸國であり国を治めることではない。

「常治伊都國」は「女王が伊都国で常に治めていた。」の意味になるのである、では何処の国を治めているのか、伊都国で治められる対象の国は文の初めに書かれている自女王國以北の諸国である。
女王は一大率を使い自女王國以北の諸国を治めていた、つまり「常治伊都國」は「(女王が)伊都国で(一大率を使い自女王国の北側の諸国を)常に治めていた。」の意味となる。
注)主語の女王と()内が省略されている。

各文の意味は
「自女王國以北 特置一大率」・・・一大率が置かれたのは伊都国ではなく女王国の北の諸国である。
「檢察諸國 諸國畏憚之」・・・一大率は諸国を検察し、諸国は一大率を畏れ憚っている。
「常治伊都国」・・・(女王が)伊都国で(一大率を使い自女王国の北側の諸国を)常に治めていた。
「於國中有如刺史」・・・刺史とは各地の行政機関内(各州内)に常駐している監察官のことで、意味は「これは魏で皇帝が刺史を州に派遣し検察させて洛陽で治めているのと同じようだ。」となる。

以上を纏めると
「女王国の北側の諸国には、(女王が)特別に一大率を配置して検察させており、諸国は(一大率を)畏れ憚っている。
(女王が)伊都国で(一大率を使い自女王国の北側の諸国を)常に治めていた。
この様子は魏で皇帝が刺史を州に派遣し検察させて洛陽で治めているのと同じようだ。」の意味となる。