1曰く

平原の八葉鏡は仿製鏡として独自の簡化と肥大化を遂げており、
系統樹では古墳出土鏡の系譜に繋がらない枝葉に属する。
同じく大宜子孫銘鏡(径27.1cm)も異形の内行花文鏡である。

これに対し、古墳出土の国産大型内行花文鏡は細部の仕様に倭臭を加えつつも、
基本の幾何的設計原理(※)を舶載内行花文鏡から踏襲しており、
系譜的に平原と断絶している。
平原出土鏡と古墳時代に盛行する内行花文系仿製鏡との間のヒアタスは大きいといえよう。