>>196
ありゃ。

從郡至倭,循海岸水行,歷韓國,乍南乍東,到其北岸狗邪韓國,七千餘里
郡より倭に至るに,海岸に沿って水行し,韓國を経て,たちまち南したちまち東し,その北岸の狗邪韓國に到る,7000余里。

朝鮮半島の沿岸をGoogle Mapとかで確認すると物凄く入り組んでいるんですね。
この入り組んだ沿岸をどうやって航海するか。

沖に出過ぎたら潮に流され遭難する危険があるので岸から離れ過ぎないようにし、かと言って入り組んだ岸に近過ぎないように、
【太陽の位置と山並みなどの風景情報を手掛かりに逆戻りしないように船を進めて行く訳です】

その描写が「乍南乍東(たちまち南し、たちまち東し)」。これは南に行った後で東に行くではなく、乍東乍南(たちまち東したちまち南し)でも正解なんですよ。
多分に早朝から昼間までの太陽が東から南へと登る間に船を出し、その位置を頼りに後戻りしないよう船を操作する様が描かれている訳です。
この表現は元々長かった文章を編纂者が短くしたものかも知れませんが、非常に端的で簡潔な美文だと思います。

つまりですね。この時代において昼間船上の【方角は太陽と山並みなどの風景情報を手掛かりにして知る】
そして、仮に絶対方位のみを知ろうとすれば【太陽の向きだけがその手掛かりになる】ということです。
ココまで書けば後は分かりますかね?