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3、旧河道出土資料について
 旧河道からは弥生時代終末頃〜古墳時代前期前半頃にかけての外来系土器が多く出土した。

報告書では旧河道をそれぞれ溝12164、溝33239〜溝33241、溝33244とし、主に上層と下層に分けて、遺物の取り上げを行った。

特に溝12164は幅5m以上、深さ1.1mを測り、大きく上層・中層・下層の3層に分層できた。

下層から布留甕1個体が出土し、上層からは東阿波型土器や布留式土器がまとまって出土しており、時期差の可能性が考えられる出土状況が確認できた。

 図3は旧河道出土土器の内、実測し、報告書に掲載している個体総数の内訳を表したものである。

この割合が遺跡全体の割合を表しているわけではないが、参考として提示した。

実測総数196個体に対して、

阿波97個体で48%、畿内39個体で20%、在地36個体で18%、讃岐7個体で4%、土佐3個体で2%、吉備3個体で2%、産地不明が12個体で6パーセントである。

約半数が阿波(東阿波型土器を含む吉野川下流域)の土器で占めており、次いで畿内系土器、在地時の出土数が多い。

讃岐や土佐、吉備の出土数は数%に留まる状況を示している。  @阿波