伊都国の内情

原文:
「官日爾支 副日泄謨觚柄渠觚 有千餘戸 丗有王 皆統屬女王國 郡使往來常所駐」

書き下し文:
”官は爾支、副(官)は泄謨觚、柄渠觚。
千余戸有り。
世王有り。
皆女王国に統属す。
郡使往来し常に駐する所。”

現代文:
官は爾支、副官は泄謨觚と柄渠觚である。
(人口は)千余戸ある。
代々の王がいる。
みな女王国に従属している。
(帯方)郡の使者が往来し、常に留まる所である。

解説:
三国志の記述では前節が後節に掛かっているので、
女王国に従属している「皆」は爾支、泄謨觚、柄渠觚、千余戸の民、王を指す。
つまり、伊都国の王も役人も住民も女王国の臣民である証明である。

また三国志における魏代の刺史は官と同義であるため、すでに伊都国には爾支という官が務めているのだから
魏の刺史(=官)と同等の一大率は伊都国の役人でないことは明白。
つまり、一大率は女王国か直属の役人であり、伊都国には属していない証明である。

結論:
よって伊都キチや糸チョン、キナイチョンが屁理屈を並べても
伊都国は女王国ではなく、女王国に従属する諸国の一つであり、
一大率は伊都国には存在せず、女王国の北限で伊都国を監視する女王国の役人である。