倭の内で「女王国」の範囲に含まれないのが明確になってるのは、今のところ此女王境界所盡より遠方の諸国と、狗奴国。
狗邪韓国を倭に含めるなら、狗邪韓国も女王国には含まれない可能性が高い。
伊都国については、魏志記述時に王を廃して完全に女王国統治下に入っていれば女王国内だし、名目上の王が存在するなら形としては女王国外。

近代のような明確な国境線があるわけでもなし、詳細記載の他の国邑のどこからどこまでが女王国内か、というのは難しい。
全部女王国外とも言えるし、全部女王国内とも言える。

自女王國以北 其戸數道里可得略載

とあるが、「以」を「もって」と訓じることからもわかるように、女王国を以て北、とは女王国も含まれると解釈できるからだ。
A以上、A以下などと表現する場合、その範囲にはAが含まれる。

その場合は、「以北」の境界線は狗奴国と女王国の国境、ということになる。

ただ、(誤用に近いが)Aを含まないとする用例もなくもないから、以北が女王国を除いて北、であると言えなくもない。

「以」の字義を考えると、前者の方が可能性が高い。