江戸時代の通婚圏の研究をした学者がいるんだが、貧しい村は通婚圏が狭く、
豊かな村は通婚圏が広いんだそうだ。
早い話、貧しい村だと嫁さんは隣村とか近場からしか来ない。
豊かな村だと遠いところからも嫁が来る。これは婿取りにしても同じ。

さらに貧しい村だと隣村からすら来ない。自村内での嫁取り・婿取りばかりになる。
こうなるとイトコ・ハトコ婚なんか有りまくり。

欧米ではイトコ婚は認めらず、日本ではイトコ同士でも結婚できるというと驚かれるという。
日本でイトコ婚が認められるのは、貧しい山中の村などでは近親婚にならざるを
得なかったという社会的背景もあるのかも知れない。

自村内で血族結婚に踏み切った村などを除き、普通の村では通婚圏はほぼ三里内という。
三里というと12キロ。朝出て日帰りができる距離である。

近交弱勢といって、血が近くなると様々な悪影響が現れる。乳幼児の死亡率なんかも高く
なるらしい。明治初期の日本人が非常に小さかったのは江戸期に近親婚が多かったせいだ
という人もいる。
その後あちこちの出身者が混じり合って結婚したことが日本人の背が伸びた一因だそうだ。
一種の雑種強勢というか。