「あのラインナップは上手く行かなくなってイアンギランとリッチーは辞めることになった。
フロントマンが二人いなくなることに不安を感じたんだろう、ジョンロードとイアンペイスは
私のところへ来て『バンドを存続させたいので力を貸してほしい』と言われたよ。
私も同じ気持ちだった。

しかしそこからおかしな方向へ話が動いて行ったんだ。マネージメントがリッチーを説得しバンドに
残そうとしたんだ。だがリッチーは自分の不満でメンバーを2人辞めさせることはフェアじゃないと
言って首を縦に振らなかったそうだよ。
だがイアンギランは自分から辞めたので辞めさせるのは私1人だけということで最終的にリッチーは決断した。

私はそうしたことを噂で聞いていた。そのことを確かめようとジョンロードやイアンペイスに会おうとしたり
電話を掛けたが彼らは私から逃げ回っていた。
そして程なくして私の解雇が告げられた。
そのときにリッチーだけは見送りに来てくれたよ。彼は『感情的になるな、これはビジネスなんだ、
お前はこのバンドでよくやっていた』と私を労ってくれた。
リッチーについて色々言う人がいるけど彼はそういう人なんだ。
私を傷つけたのはリッチーではなくジョンロードとイアンペイスさ。
少なくともリッチーは自分に対して正直だったが、ジョンとイアンには心底ガッカリさせられた。
このときの気持ちを整理するのに2年掛かったよ。
ひたすら仕事に没頭したよ。」