石田穣「担保物権法」が出たぞ
信山社 民法体系(3)
定価本体10,000円、外税500円
2010年10月25日第1版第1刷発行
はしがき日付け 平成21年11月3日
(平成22年の誤植か?それとも1年寝かしていたのか?)
本文全772頁
索引等34頁
はしがき・目次・凡例17頁
装丁は物権法と同じ
目次は信山社HPに掲載
http://www.shinzansha.co.jp/101027tanpobukkennhou-contents.html
・・・潮見不法行為Tのような大きなミスはなさそうだ。
>>36
1つの債権を二回譲渡するという二重譲渡が不可能なだけであって、
「同一内容の債権」を複数発生させることは可能でしょう。
その違いだと思います。 >Bookoffに旧来の古本屋の値つけを強制できるか
会計知識があやふやで恐縮ですが、販売管理とか店舗維持とか人件費とか、
通常の古本屋では生じないような経費が巨額となるとおっしゃっているのでしょうか。
企業が仕入れ原価を小さくしたいと考えるのは通常のことだけど
その仕入れ原価の評価の妥当性の問題が、清算の前提としてあるのでしょうね。
>>38
いや、物権法の二重譲渡のところで、第一譲受人は登記移転がない場合
所有権を取得せず所有権移転登記請求権という債権(特定債権)を取得する。
(石田・物権法140頁)
と書いておられるので、それを援用しただけです。
石田先生の債権総論はまだ未刊ですので。
>>37
なるほど
特定の金銭債権という財貨所有物というより
債権創造の自由ということですか、
公示がないから次から次へと生み出されると困りそうですね。
>>39
会計とか難しいことはわかりませんが、
Bookoffは、旧来の古本屋のように本の市場価格に応じた値付けではなく、
少数の売れ筋商品と本の新しさを基準にした値付けにすることで、素人でも
仕入れ担当になることができるというビジネスモデルで成長してきた
わけですよね。
したがって、旧来の市場価格を前提とした値付けをBookoffに民法をもって
強制できるかというと、おそらく無理でしょうということです。
40の
>所有権を取得せず所有権移転登記請求権という債権
これ転記ミスです、「登記」は削除です。すみません。
正しくは、
「・・所有権を取得せず所有権移転請求権という債権・・」
新たなビジネスモデルは日本経済のためにその成長を見届けよう、
顧客は承諾の上入り込んできたわけだし・・(危険への接近)。
しかし、歴史の繰り返しのようにも感じましたが。
http://www.moj.go.jp/content/000056296.pdf 法制審議事録30頁、50頁〜62頁
860 :氏名黙秘:2010/11/21(日) 00:15:26 ID:???
継続的契約だから賃貸借の当然終了というのはなにか変だなぁ
866 :氏名黙秘:2010/11/21(日) 08:51:03 ID:???
賃貸借の当然終了だと、担保責任とか問えなくなる? >>40への自己レス
32の引用部分でズバリ書いてありましたね。苦笑
「確定日付ある証書によらない債権譲渡の通知・承諾があっても、
債権は移転せず、譲受人に債権移転請求権が生じるにとどまると
解すべきである。」
日本振◯銀行だったがが、債権の二重譲渡もどきの問題で倒れた。 倒産寸前の商人や中小企業が債権譲渡濫発するというのは昔からある話で、
それもどきを準大手銀行がやったので唖然としたという話 ブックオフって、こまかい値付け表がマニュアルとしてあるんだよね、
素人がそのマニュアルどおりに機械的に値付けしていくのはその通り。
成長の要因は、小金持ちが本・雑誌を廃品回収のゴミ捨てに出すよりは
1割2割でも値段つけてもらった方がいい、と考えたことによる。
小金持ちというのは、高値買取希望など微塵もなく、とにかく処分したいと考える人達、
逆に貴重本・いい本だから高値買取してくれという希望は受け付けられない。
まさに大量消費社会のムダ資源回収というビジネスモデルならば、
ゴミ屋に清算義務を課すのは笑止千万というのと同じかもね。
しかし再生部分で営利性が大きくなれば、利益の再分配を求める人も当然出てくる。
インクカートリッジやビデオゲームなど知財部門ではすでに裁判例もある、
そこで公平に敏感な裁判所としては、担保の私的実行ならば仮登記担保契約法の適用
という石田理論は充分魅力的なはずだと思われる。
別に主体を小金持ちに限定する理由はないのだ、
貧乏人でも部屋が狭いから処分したいという人も当然ありうる。 石田説整理
登記:効力要件
物権行為の独自性:認める
解除の効果:『物権法』で改説
二重譲渡の法命題:論証不能で認めない (物権も「債権(譲渡)」も) 石田説整理
登記:効力要件
物権行為の独自性:認める
解除の効果:『物権法』で改説
二重譲渡の法命題:論証不能で認めない (物権も「債権(譲渡)」も)
損害賠償の範囲:危険関係説
立証責任:証拠からの距離説
法解釈方法論:立法者意思説
瑕疵担保責任の性質:契約責任説 平井宜雄スレッドがなくなったので便宜ここに書かせてもらうけど、
有斐閣HPの近刊案内によると、「平井宜雄著作集」が出るらしい。
全何巻とか各巻の内容とかの全体計画を早く知りたいものだ。
「平井宜雄著作集」が近刊案内より消えてるやんけ〜wwwwwwwwwwwww 石田説における公平の観念のあらわれ
減担請求権(石田・担保409頁〜412頁)
意義
債務者は目的物価額が被担保債権額に比較し不当に大きい場合に両者の
バランスがとれるように担保の減少を求めることができるという権利。
根拠
目的物が滅失・損傷・減少した場合に抵当権者に増担保請求権が
あることとのバランス。
要件
目的物価額が被担保債権額に比較し不当に大きい場合かどうかは、抵当権者と
債務者の取引状況、物価の変動状況、債務者の財産状況などを総合して判断する。
一般的な数値で示すのは困難だが、一応の目安として、目的物価額が被担保債権額の
1・5倍以上の場合に、原則として減担保請求権が発生すると解する。
410頁注1 ドイツ学説の過剰担保の目安は120%、との紹介。
(野田和裕「過剰担保規制と担保解放請求権」(民商法雑誌114巻3号・平8))
1997・11・27ドイツ連邦通常裁判所大法廷判決は150%で過剰担保になるとした。
内容、効果
@債務者は目的物を他の目的物に交換することを求める請求権。
これは形成権の行使で、請求時に、旧目的物についての抵当権消滅請求権が発生し、
新目的物について抵当権の設定義務が発生する。
登記効力要件の立場からこれらはいずれも登記が必要で、同時履行の関係に立つ。
A共同抵当の場合に一部につき抵当権の消滅を求める請求権。
目的物価額を全部合算する。
債務者の請求→抵当権者の消滅対象の指定→債務者は相当期間定めての指定催告、
抵当権者が指定しない場合→債務者指定(408条・選択権の移転)
実務的には余剰があれば2番抵当3番抵当ひっつける、後順位者がいれば392条で処理、
とすれば2番抵当ひっつけない、後順位者がいないという前提でしょうかね。
正誤表
>>55
誤 減担請求権(石田・担保409頁〜412頁)
-------------------------------------------------
正 減担保請求権(石田・担保409頁〜412頁)
現行法にどんな不具合があって改正されなくてはならないのかが、さっぱり判らない。
損害賠償をすれば事情変更を認め契約解除ができるなど
国民生活に深刻な影響を与える債権法改正まで含む。
法制審民法部会 http://www.moj.go.jp/content/000058276.pdf 5ページ
就業規則を不利益に変更する場合にも…事情変更の原則の規定(が適用されてしまう)
さらに、事情変更の原則の規定の整理解雇への影響も考えられる。…他方、整理解雇以外の場合にも、
使用者が、契約改訂交渉が不調となったときに、
裁判所に、金銭支払いを条件とする解雇を請求できる余地もある(基本方針3.1.1.92A)。
これは、変更解約告知を認めたに等しいとも言える。
安全配慮義務との関係で労働者側からの懸念がある。すなわち、「契約により引き受けていない事由」を
免責事由として規定する考え方」を採った場合、安全配慮義務は、手段債務で、かつ付随義務でありまして、
契約でどうこう定めるということはなく、…「契約により引き受けていなかった」として、
免責されやすくなることが懸念される。季刊労働法2010年夏季56、58ページ、和田
>>58
素朴な疑問なんだけど、民法と労働契約法って一般法と特別法の関係じゃないの?
労働契約法で定めていない部分は民法に戻ったとしても、不利益変更にしろ
変更解約告知にしろ、裁判所の厳格な要件まで反古されちゃうのかね。
松岡久和「石田喜久夫先生の物権変動論T」
(石田喜久夫先生古稀記念論集・平成12年・所収)
90年代以降の物権変動論の論文についてコメント入っていました。
鷹巣信孝氏、七戸克彦氏、松尾弘氏、石田剛氏など
>>59
「労働契約法で定めていない部分は民法に戻」ると認めた
安全配慮義務なのだけれども、潮見・債総Tによれば
すでに労災関係は労災補償法で手厚く保護されていることでもあり
安全配慮義務は「過度期の理論」であって、
今後は契約責任での保護義務論と不法行為責任論に、
「発展的に解消されていくだろう」とのこと。
確かに、喫煙により勤労者本人が肺癌で死ぬことがないということまで
雇用主に安全配慮義務が課せられるのは、個人の趣味嗜好にまで責任を
負わせられることとなって、妥当でない。
そこで「引受」という限定をかけることは、勤労者の自由保障の点から
見ても妥当な線引きだ。
不当な労働環境とかをいうなら、それは不法行為で責任追及した方が
立証の点でも勤労者に有利だし、消滅時効の短さの不利益は、
行使可能性を柔軟に解釈すれば足りる。
石田・担保の件だけど、
抵当権は順位確定の原則の立場を採用するということと、
流動動産譲渡担保で集合物論をボコボコに叩いておられる。
流動動産譲渡担保に関しては、平成3年に、マイナーな論点本に掲載された
下森定の新説をフォローしてるなんてスゴイ目配りだな。
>>63
それは内田説だろう。
安全配慮義務は雇用主が負っている義務。
使用者責任における被用者は雇用主と全く同一内容の安全配慮義務を負いますか?
契約責任が全くなくってもいつも使用者責任によって契約責任と同一結果に至ることができますか?
>>66
>それは内田説だろう。
????????
63の前段5行は潮見佳男・債権総論T・第2版(信山社・法律学の森シリーズ)の
126頁からの要約・引用です。
「手厚く」は記述されていないので削除しておきます。
「過度期の理論」は126頁の下から3行目に記述があり
「発展的に解消させるのが適当である」との記述は127頁上から1行目〜2行目。
63の後段8行は思いつきで書いた私見ですが、ありふれた表現で真面目な学生でも
書けそうな類のもので、潮見本にも内田本にも書いてありません。
ただ、不法行為責任追及で立証の点で勤労者有利、というのは全くの勘違いで、
通常は契約責任の方が有利とされているので撤回しておきます。
最判昭和56年の安全配慮義務内容を特定し主張・立証責任を負うのは原告側というのが
念頭にあったので、それにひきづられてしまいました、、というヘタな言い訳w
潮見説の立場から行けば、不当な労働環境により完全性利益を侵害した場合は
保護義務違反の構成になるのでしょうな。
さて、内田本だと民法V・第3版・131頁〜137頁までが「安全配慮義務」の記述です。
安全配慮義務と一般不法行為との関係につき、前者の独自性はあるのか、と問題を立てた上で、
「不法行為の領域で処理することも、あながち不当とはいえない」「類型の多くは不法行為で
処理することは可能である」としながら、第三者加害の最判事例を2つ引用して、
「契約責任としての構成を全く捨て去るのも躊躇される」と結論づけています。
つまり、63の前段5行も後段8行も、内田テキストにはなんら記述されていません。
>使用者責任における被用者は雇用主と全く同一内容の安全配慮義務を負いますか?
>契約責任が全くなくってもいつも使用者責任によって契約責任と同一結果に至ること
>ができますか?
ちょっとご質問の意味不明です、端的に仰ってください。
もしかして、第三者加害の場合はどうすんだ、と言いたいのかな・・
各法制において使用者責任規定ではカバーされない契約責任の領域が存在しています。
よく調べてみて下さい。
「・・よって不法行為又は債務不履行として〇〇円請求する」
という決まり文句がありますが
これって予備的請求なんでしょうか?
本式には「・・よって不法行為であるから〇〇円請求する。
これが認容されることを解除条件として債務不履行として同額請求する」
とかって書かれるべきなんでしょうか? 選択的併合は旧訴訟物理論がたどりついた最後の墓場である by三ケ月章 パブリックコメントの手続は、法制審議会民法(債権関係)部会における
審議の区切りとして行われるものであり、
今後の議論の方向に大きな影響を与えるものになるであろう。
もっとも、意見の募集期間は、それほど長くはならない可能性がある。
(NBL944号、筒井健夫)
445 :氏名黙秘:2011/01/22(土) 09:27:33 ID:???
パブリック・コメントの手続きは、突然に不意打ち的に開始されたうえに短期打ち切りとなってしまうじゃん
446 :氏名黙秘:2011/01/22(土) 20:04:57 ID:???
もし今、債権法改正検討委員会の同じメンバーが改正案を採決したとしても違う改正提案となるにもかかわらず、
パブ・コメで「債権法改正の基本方針」に賛成が多かったと、パブ・コメの手続がただのシャンシャン大会になってしまう危険性があるのではないか
各準備会など全ての会議に出席した者は極めて少数。
準備会でさえ自由な討論はなかった。 448 :氏名黙秘:2011/01/25(火) 18:56:31 ID:???
やはり「債権法改正の基本方針」に沿った法制審民法部会の論点整理
http://www.moj.go.jp/content/000062563.pdf
部会資料5-2 http://www.moj.go.jp/content/000059836.pdf
部会資料7-2 http://www.moj.go.jp/content/000033453.pdf
450 :氏名黙秘:2011/01/26(水) 08:56:09 ID:???
通常のように甲案、乙案などの条文案に対するパブ・コメにしてほしい。
452 :氏名黙秘:2011/01/27(木) 21:57:01 ID:???
パブリック・コメントの手続は今回の1回だけなら現在の論点整理は「最終」論点整理だろ 減担保請求権(石田・担保物権409頁〜412頁)
債務者は目的物価額が被担保債権額に比較し不当に大きい場合に両者の
バランスがとれるように担保の減少を求めることができるという権利。
民法大系を民法体系と誤記する馬鹿学生が多くて申しわけありません。 >>58
63 名前:法の下の名無し :2010/12/26(日) 02:22:21 ID:ZLNROWmL
安全配慮義務なのだけれども、喫煙により勤労者本人が肺癌で死ぬことがないということまで 雇用主に安全配慮義務が課せられるのは、個人の趣味嗜好にまで責任を 負わせられることとなって、妥当でない。
そこで「引受」という限定をかけることは、勤労者の自由保障の点から 見ても妥当な線引きだ。
不当な労働環境とかをいうなら、それは不法行為で責任追及した方が
立証の点でも勤労者に有利だし、消滅時効の短さの不利益は、 行使可能性を柔軟に解釈すれば足りる。
66 名前:法の下の名無し :2010/12/31(金) 11:05:02 ID:A2kGWVkb
>>63 それは内田説だろう。
安全配慮義務は雇用主が負っている義務。 使用者責任における被用者は雇用主と全く同一内容の安全配慮義務を負いますか?
契約責任が全くなくってもいつも使用者責任によって契約責任と同一結果に至ることができますか?
68 名前:法の下の名無し :2011/01/01(土) 02:03:06 ID:jZ3q9f/T
>使用者責任における被用者は雇用主と全く同一内容の安全配慮義務を負いますか?
>契約責任が全くなくってもいつも使用者責任によって契約責任と同一結果に至ること
>ができますか?
ちょっとご質問の意味不明です、端的に仰ってください。
もしかして、第三者加害の場合はどうすんだ、と言いたいのかな・・
69 名前:法の下の名無し :2011/01/02(日) 20:42:50 ID:1jHWkALq
各法制において使用者責任規定ではカバーされない契約責任の領域が存在しています。 よく調べてみて下さい。
70 名前:法の下の名無し :2011/01/03(月) 10:02:44 ID:5sTVz7fB
「・・よって不法行為又は債務不履行として〇〇円請求する」
という決まり文句がありますがこれって予備的請求なんでしょうか? 四宮先生に献呈された論文集の石田穣先生の『授権』の論文読んだ。
二重譲渡の法命題と否定する立場で、民法の事例問題を再整理したいなあ。
民法総則の94条2項類推適用の場面の石田先生の説明、二重譲渡の法命題を否定するから
なんだか一読してわかりにくかった、のだろうか??? 大学双書の石田先生執筆部分(不法行為)はそんなにすごい
内容だったのでしょうか?
凡才、星野先生が、民法概論を完結させる意思を喪失させるくらい切れ味のある不法行為学説と
聞きます。
判タの倉田追悼特集で倉田がある人のことを痛烈に罵倒していたって書いてあるんだが、
これってやっぱ石田先生の事だよな。 登記効力要件擁護の論文だ。
ww.seinan-gu.ac.jp/jura/home04/pdf/430304/430304tada.pdf
星野先生編集代表の『民法講座』の「債権総論」の故国井教授の損害賠償の論文。
危険関係性説について、他の著作での応接が少ないから、検討しないとか書いて、
平井先生の保護範囲説だけ紹介している。
不公平な論文だなと、今気づいた。 南山大学の国賊狂授で社会の害毒・倉持 孝司 は教育界から消えろ!
総則、契約は判例を丁寧に拾っているところがいい
物権、担保はこの点いまいち
年かな
頁数の圧縮につとめたとか
どうでもいい同じようなのが多くてみんな挙げるのが嫌になったとか
高橋先生の重点講義だっけ『民事訴訟法』(上)改訂版でも
石田説=新藤説が叩かれていた。 『担保物権法』
譲渡担保を二つにわけて、非権利移転型は「虚偽表示」だろ、で一蹴するなんて歯切れよすぎる。 ジュンク堂の新宿店が閉店になるっていうんで行ったら、「担保物権法」がおいてあった。
一応、総則が「近刊」で債権法も「続刊」になってるんだな。 へー、批判か。
でも大抵無視だよね。
たまに「細かすぎ」とか「実務とのかい離」とか
的外れな意見ぐらいしかない。
最近は軽薄な本ばかりでつまらない。 利益較量と法解釈の方法--「法解釈方法の基礎理論」補論
石田 穣
法学協会雑誌 93(8), p1157-1183, 1976-08 石田説による「二重譲渡の法命題」回避のロジック。
A最初の所有者B第一譲受人C第二譲受人
第一の売買契約(登記移転未済)段階
A←→B
A、Bとの「売買契約」で、所有権をBに移転する意思表示をする(176条)
Bは所有権をAに要求できる「特定債権」だけを取得する。
この時点では登記はAなので、まだ所有権は完全にAのもとにある(登記は効力要件)。
第二の売買契約(登記移転未済)段階
A←→C
Aは完全なる所有者なので、Cとも「売買契約」可能。
A、Cとの「売買契約」で、所有権をCに移転する意思表示をする(176条)
Cは所有権をAに要求できる「特定債権」を取得する。
この時点では登記はAなので、まだ所有権は完全にAのもとにある(登記は効力要件)。
<ケース1>
その後、Cが先にAから登記を取得した場合。
Bは「特定債権」をCによって害されたので、債権に対する妨害排除請求権により
登記をAに取り戻す。Aに対し、登記をBに移すよう要求する。
A→Bに登記が移って、Bは完全な所有権を取得する(登記は効力要件)。
<ケース2>
その後、Bが先にAから登記を取得した場合。
Bは完全な所有権を取得する(登記は効力要件)。
CはAに「特定債権」の履行不能による損害賠償を請求できる。
物件法で、石田先生は、解除の効果論の立場を、
直接効果説から間接効果説に改説している。 天敵、星野が死んだよ。よかった。
石田穣先生ファンより。 石田の法解釈論は星野によって完全に論破されたよね
今の石田の法解釈論を聞いてみたいものだ そもそもなんで石田が立法者意思説をとるのかわからない 「法解釈学の方法」を見てもそのへんはよくわからない。
そこで「民法学の基礎」をめくってみる。
とくに重要なのは「制定法の拘束力」の論文。
こう書いてある、(同書226頁〜227頁)
「法の解釈のうち、制定法の解釈は、立法者意思の解明という
経験的認識作業であり、解釈者の主観的判断が介入しない。
従って、制定法を適用して生じた結果は、立法者の責任に帰すべきものであり、
解釈者の責任に帰すものではない。」
ゲゲ、こんなことおっしゃっていたのねん。
もちろん当時の法解釈論争での、「法の解釈とは価値判断作業であり、
解釈者は解釈の結果に責任を負わなければならない」というのが前提知識。
石田方法論では立法者意思だけ強調しても片落ちじゃないかな。
法の欠缺を認めてそこで類推解釈とかOKなんだから柔軟じゃないか。
だいたい物権法にしろ担保にしろ起草者意志のみで本を書いていないし。
思うに当時主流の目的論的解釈が裁判官の恣意を隠蔽するものとして
批判の対象だったのだろう。 ちょっと誤解を招きそうなので、訂正
石田方法論について、立法者意思を強調する人がいるが、
法の欠缺論もあるのだから、片落ちじゃないかな。 ありがとう。ふむふむ。民法学の基礎を入手したので読んでみたよ。ちょっとまとめてみようか。
「制定法は、第一順位の法源として裁判官の判断を拘束する」というが、法源分析の一面として「制定法はどのような拘束力を有すべきか」って問題がある(p.213)。
で、民事法分野では制定法の欠缺が存在するかどうかで裁判官の判断方法が変わる、と石田は考えているっぽい。
ざっくりいうとキーとなるのは「制定法の定型的に予測する事件かどうか」(p.221)で、その事件をさぐるために立法者意思を探究する。
逆に「制定法の定立に際して立法者が定型的に予想しない事件」が制定法の欠陥のパターンで、「慣習法、判例、条理」によって欠缺が補充される(p.222)。
条理の解釈では「制定法の類推により制定法の判断をそれと類似の構成要素=利益状況の事件に及ぼしていく」ことになる(p.225)。
>>109が引いた「制定法の解釈」というのは石田っぽくいえば<<制定法の欠缺が存在しない場合の法律解釈>>だね。
制定法の欠缺が存在する場合はその直後に書いてあって、「解釈者の主観的判断が介入する場合がある。
もっとも、この場合でも解釈者の純然たる主観的判断ではなく、立法者により間接的に制御された判断である。」(p.227)
どんな場合でも立法者意思が切り札となってそこから解釈が始まる。こういうことかな。 >>109
なるほど裁判官の恣意をコントロールするために石田は立法者意思を全面に出したのか。そういう実践的な問題から生まれた解釈論かもしれないね。
それと絶版になった石田の本をきちんと読み続けている人がいるのはすごいことだと思う。
気づいたんだけど、「制定法の拘束力」って『法解釈学の方法』にある「法解釈方法の基礎理論」のごく一部だったんだね。
用語はちょっと変わっているけれど大筋は一緒。
でも「法解釈方法の基礎理論」の方は学説批判が前面に出ている挑戦的な論文になっていておもしろい。
ところで石田方法論の根底は「スイス民法1条の法源イデオロギー」を理解しないと分からないっぽい。これを読んでみる。 ご丁寧なレスをいただきましてありがとうございます。
目的論的解釈が批判の対象云々は、
エールリッヒの法解釈すなわち歴史的解釈=立法者意思の確定の見地からは、
目的論的解釈は否定されなければならない(民法学の基礎・19頁、21頁)との
石田先生の叙述から、短絡的につなげた私見にすぎませんが、あたらずとも遠からずでしょうかw
109の引用も文脈はあまり考えず、叙述そのものが面白くて恣意的に切り取ったものでした。
「法解釈学の方法」の中の「法解釈方法論の将来」では(同書107頁)、
目的論的解釈を方法の一つとして是認し、「問題は、・・目的論敵解釈を
通用させるべき要件は何か、・・を具体的に明確にしていくことである。」
と書いてますので、目的論的解釈自体は否定されておりませんでした。
法の欠缺の補充方法として、慣習法・条理・判例があげられますが、
この条理の中に類推解釈、反対解釈、一般的法原則をあげて、さらに
「その他」として解釈者の価値判断に任されるものがあるとしています。
そしてそれらも間接的には法律に拘束されるが、それは憲法76条3項の帰結である、と。。
見事な体系図ですが、制定法の拘束力と意味の持込の関係があきらかでない、というのは
「制定法の拘束力」の論文の問題意識で、私としてはこちらの論文の方がわかりやすいかな、と。
もちろん「法解釈学の方法」の方が「民法学の基礎」の発展形でしょうけど。
また読んでみます。 石田が論破されたのは
星野教授の『民法論集8巻』に入っている「民法の解釈の方法について」で。 間違った
『民法論集7巻』に入っている「民法の解釈をめぐる論争についての 中間的覚書」 スイス民法1条の法源イデオロギーを読みました。
・連邦制の特殊な環境でスイス民法典の制定がどのように進められたか、
・当時のフランスやドイツの議論を知った上で制定法の欠陥を制定法自身であらかじめ定めておくという法源イデオロギーの成立、
・日本で言われてきた条理とスイスのそれは似て非なる機能を持っていること、
この3つが面白かった。
通読して気づいたのは石田が言う立法者意思と法解釈の関係はこの法源イデオロギー研究がベースだということ。
法源イデオロギー研究を日本風にアレンジして、日本憲法で立法者意思重視を根拠づけたのも頷ける。
なぜスイス民法1条風の解釈スタイルが日本に定着しなかった?
フランスやドイツの解釈が十分に普及してしまったからかな。
石田の法源イデオロギー研究を継承している人がいるか探してみたけれどよくわからない。
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016121198
これを読んでみたら面白いことが書いてあった(石田のスイス民法研究に一切触れていないのが残念)。
明治時代の東大ではドイツ法とフランス法の講義でスイス民法との比較をしていたらしい。
しかもそのフランス法講義の受講生っていうのが、石田がスイス民法1条の法源イデオロギー5章の注釈に出てくる杉山直次郎だって。
明治時代から日本人はスイス民法1条の法源イデオロギーに触れていたはずなのに受け入れることはしなかった。
不思議だね。 星野先生の解釈論(比較考量論)は、『民法講座』(別巻1)の瀬川先生の論文で、
平井先生の解釈論と対比されて、批判されている。 意思責任的不法行為
行為責任的不法行為
<客観責任的不法行為><結果責任的不法行為> 『民法論集』の7巻よんだが、星野先生は、注釈で、石田穣批判しているにすぎない。
しかも、石田穣先生を批判している平井先生の批判を引用して、批判しているにすぎ
ず、こんなので、石田穣先生が論破されたなんて笑える。
本文では、星野先生は、石田穣先生の見解など、全く無視するという、あり得ない論ぽうで、
しかも、石田穣先生の解釈論の本筋である「法律の拘束力」について、
低レベルな持論を述べているが、主張が浅い浅い。
来栖三郎先生の弟子の、安達三季生も、池田真朗との立法者意思の解釈論争で
興味深い論文を書いているが、石田穣先生の解釈論同様、無視されている。
川島→来栖→安達&石田穣という東大の系譜は、どうして、嫌がらせされるんだろうね???? >安達三季生も、池田真朗との立法者意思の解釈論争で興味深い論文を書いているが
どれ?読んでみたい 安達三季生「法解釈学(実定法学)方法論と債権譲渡の異議を留めない承諾――池田真朗教授の続稿に因んで――」
『法学志林』91巻4号(法政大学、1994年)74頁
とかなんだけど。 Twitter / lmnagumo: PDF化してiPadに入れたものに石田穣の民法契約法の基本書 ...
https://twitter.com/LMNAGUMO/statuses/16399349282 でも笹倉先生の平井批判の方が、ボロクソで面白い。
もともと大学双書『民法講義』で石田先生が、平井の損害賠償に関する、
外国法の(特定箇所の)解釈は間違っている、と正当な批判をしていたわけだけど。 >>104は
>直接効果説から間接効果説に改説している。
って言っているけれど以前の説はどの本に書いてあるんだろう >>132
少なくとも『契約法』青林書院には解除の効果について記してあると思う。 有斐閣YDC1000.で民法学の基礎が入手できるようになったね すごーいい。
石田穣先生は、加藤雅信先生の名古屋大学への就職を確保することに関するトラブルが
一因となって
星野に干されたのか。 解除の効果に付いての石田穣旧説は、
P96に書いてある。『民法X(契約法)』
『以上により、基本的には直接効果説が妥当であると考える。』
P94から始まる、第四節 法定解除の効果の節で、
起草者意思などの、解明をしつつ(起草者は間接効果説的発想)も、起草者意思には従わないという
『民法学の基礎』などでふれられている、立法者意思に反する解釈(直接効果説)を採用している。
でも、いま『民法X(契約法)』を読み直すと、当時は「二重譲渡の法命題」自体は肯定していた
節がある。
物権法の分野で、石田先生が旧吾妻説(登記は効力要件)を採用するようになった時期は
いつなんだろうか???