大一番の前に1年を振り返るのは気が早いが、ここまでに見えてきた傾向はある。
「最強」の呼び声が高かった現4歳世代(2013年産)の失速である。

トップクラスを見ると、マカヒキも引退したディーマジェスティも、ダービー後の勝利は秋初戦の1度だけ。
唯一、秋以降も順調だったのがサトノダイヤモンドで、神戸新聞杯、菊花賞の後に有馬記念でキタサンブラックを抑えて優勝。
「来年はこの馬の天下」と思わせたが、今年は阪神大賞典優勝の後、
天皇賞・春でキタサンブラックに返り討ちに遭い、シュヴァルグランにも競り負けて3着。
連勝も4で止まった。秋の仏遠征での惨敗は記憶に新しい。

ここで考えざるを得ないのが、ディーマジェスティも含めて、3強がいずれもディープインパクト産駒だった点である。
昨年春の3歳クラシックは皐月賞もレコードに0秒1差で決着するなど、レベルを疑う人はいなかった。
「3歳春でこのレベルなら、4歳になればもっと成長するはず」と誰もが期待した。
だが、意外に伸び悩む現状を見ると、「ディープ産駒が早い段階から負荷の高い競走を重ねると、
伸びが止まる(燃え尽きる?)のでは」との仮説にたどり着く。

実際、現3歳世代の活躍馬の中でディープ産駒は皐月賞馬アルアイン程度しかいない。
レイデオロは父キングカメハメハ、スワーヴリチャードは父ハーツクライ、ディアドラ(秋華賞優勝)と
モズカッチャン、ペルシアンナイトはハービンジャー産駒だ。
ディープ産駒の16年2歳王者サトノアレスを管理する藤沢和雄調教師(美浦)は今年初め、
「(同馬のように)2歳時に5回走れたディープ産駒は珍しい」と話したことがある。

以下より抜粋
「最強」13年産組、失速の背後にあるもの
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24035870Z21C17A1000000/