ただ、短いキャリアの中でも、いまだに強烈に記憶に残る勝利がある。それは05年の札幌開催、ヒシサンダーでの逃げ切りV(3歳上500万下=ダ1000メートル)だ。
当時は“男”藤田伸二の全盛期。先行馬に騎乗した時に競りかけるのは、ご法度というムードが若手騎手の間で根強かったが…。

「行きますよ。この馬、ハナに行かなきゃ勝てませんから。藤田さんが競りかけて怒るのも瞬間的なものでしょう? すぐ忘れてくれますよ」

 結果は藤田騎乗の1番人気エイシンシグマ(3着)のハナを叩き、堂々のクビ差勝利。おとなしそうに見えて芯は相当に強いと感心したものである。

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