■盛んな競馬、確かな腕

 かつて英国の植民地だったインドは競馬が盛んで、インド人男性らは母国やアラブ首長国連邦で調教師をしていた。
腕は確かで働きぶりも真面目。浦河では15年ほど前から外国人騎乗員が働き始め、
当初はフィリピンやマレーシアの出身者が多かったが、15年以降は急速にインド人の評判が広まった。

 今年10月末現在、町の外国人登録者198人のうちインド人は最多の114人を占める。
町内で競走馬育成を手がける牧場約30カ所の9割で、20〜40代のインド人が活躍している。

 インドの競馬関係者にとっても、給料が母国の3倍近い浦河での就労は魅力的に映るようだ。
改正入管法で議論された単純労働分野の14業種と異なり、熟練度の高い「技能」の在留資格を取得。
1〜3年の在留資格者が大半で、単身で働いて帰国する。
「給料をためて母国で家を建てる」など日本永住を望まない人が多く、
町は「改正入管法の影響はあまり受けないだろう」(町民課)とみる。

 ただ、浦河以外の日高管内4町では10月末現在、計95人のインド人が外国人登録している。
浦河職安管内で牧場従業員を含む「養畜作業員」の10月の有効求人倍率は11・39倍。
優秀な外国人の争奪戦になる可能性もあり、生活面の支援がますます重要になっている。