騎手協会(Professional Jockeys Association: PJA)は今回発表された画期的研究を評価し、
「セクシャルマイノリティ(性的少数者)であることを公にできないと感じている騎手を支援するために、もっと多くのことがなされなければならない」
と主張した。

 デヴィッド・レッツ(David Letts)氏は2月5日の競馬産業会議において、リヴァプール大学修士課程で自らが執筆した研究論文について発表した。
そしてその研究結果は、英国におけるセクシャルマイノリティの騎手の数は、英国の総人口におけるその割合(最新の調査では6%)と概ね一致することを示していると明らかにした。

 これは、たった1人の現役騎手しかゲイであることをカミングアウトしていない現実とはかけ離れている。
その騎手は、カミングアウト後に騎乗依頼をしなくなった調教師・馬主がいると述べた。

 レッツ氏は騎手への調査・インタビューで、競馬界全体よりも騎手の世界の方が、自身がセクシャルマイノリティであることを隠している者が多いことを発見した。
そして、その主な理由として、騎乗機会の減少や騎手仲間からの予想される反応への恐れを挙げた。

 一方励みとなる結果としては、調査への協力者の大半が同性愛者に嫌悪感を抱いていなかったことが挙げられる。
「同業者からゲイ・レズビアン・バイセクシャルであることをカミングアウトされれば快く受け入れられるか?」という質問に対して、競馬界の人々の92%、騎手の78%が前向きな回答を行った。

 しかし、調査に協力した男性騎手の5%が同性愛者に対する差別用語を"嫌がらせ"として使い、50%が冗談として使うと答えた。

 レッツ氏はポスターによるキャンペーン活動などの実用的な勧告を行った。
さらに、確認された傾向の背景をさらに深く理解するために、研究を拡大することを示唆している。
https://www.jairs.jp/sp/contents/newsprot/2019/6/3.html