2歳女王を決める阪神ジュベナイルF・G1は13日、阪神競馬場で行われる。アイドルホースとして注目を浴びるのは、白毛馬として初めて芝の重賞制覇を飾ったソダシ。白毛一族からJRA史上初となるG1ホースが誕生するか。

 透き通るような真っ白な馬体でアイドルへの階段を駆け上がっている。ソダシは2走前の札幌2歳Sで白毛馬初の芝重賞制覇。今週は初のG1制覇に挑む。「いい状態をキープできています。広いコースの方が走りやすいと思うしね」と須貝調教師の表情は明るい。

 昨秋に牧場で初めて見た時から「きれいな馬。美しかった」と鮮やかな馬体に見とれた。父も母もダート志向が強い血統だが、デビューから芝を選択。「(調教で)芝に入れた時、走りや体の使い方が良かった。固定観念にとらわれてもいけないからね」。結果的に、すべて芝で無傷の3連勝。その決断は吉と出た。

 前走のアルテミスSはメンコ(覆面)を始め、それまでは黒だった脚元のバンテージや手綱、さらには頭絡(頭に取り付ける馬具)をすべて白一色に統一。“ドレスアップ”した姿が一段と美しさを際立てた。「こういう馬で競馬に興味を持ってくれる人がいればと思うし、競馬の魅力を少しでも発信できれば」。かつてゴールドシップなど注目を集める個性派ホースを管理したからこそ、その思いは強い。

 前走後も在厩で調整を続け、2日には栗東・CWコースで6ハロン80秒6―12秒3。丹念に乗り込んでも、全くへこたれる様子がない。「レースでも根性があるし、タフだよね。このまま無事にレースに迎えられれば」。ソダシとはサンスクリット語で「輝き」。無傷のまま2歳女王へと上り詰め、最上級の「輝き」を放つ。(山本 武志)