岐阜県笠松町の笠松競馬場で女性厩務(きゅうむ)員らにセクハラを繰り返したとして、競馬を主催する県地方競馬組合から処分を受けた男性調教師がレース参加に必要な免許を更新されなかったことが1日、分かった。免許を交付する地方競馬全国協会(NAR)は同日、ホームページでこの調教師を「引退」とした。

 NARや組合によると、調教師免許は1年更新で筆記試験と面接で審査。笠松競馬の場合、7月末まで有効の免許を更新するため調教師16人が5〜6月に試験を受け、この男性調教師だけが不合格になった。

 この調教師をめぐっては、別の調教師と騎手らの馬券購入問題を調査していた第三者委員会に対し、複数の女性厩務員がセクハラの被害を申告。今年4月に調教停止90日の処分が科されていた。

 NARは不合格の理由を公表していないが、「処分も合否判断の要素の一つ」(広報課)と取材に答えた。組合は7月31日まで笠松競馬所属の調教師としてホームページで紹介していたが、1日に抹消した。