https://news.yahoo.co.jp/articles/aef1ec911b0134273d41d9627cfa449a77768a57

福永騎手 間違いなく俺にとってコントレイルはスーパースターやから。人がどう思おうが、なんと言おうが。だって無敗の3冠が、どれだけ大変なことか。2000メートル、2400メートル、3000メートルを勝たないといけない。能力のない馬ができるわけがない。

その特別感は、かつて「日本近代競馬の結晶」と実況された父ディープインパクトと同様に、競馬界に与える影響が大きい。

福永 ディープ(インパクト)も特別やったし、やっぱり特別なんやと思う、コントレイルも。「日本競馬の集大成」みたいな馬なんやと思う。日本の競馬に最高にマッチしたような。スピードがあるし、良馬場の2400メートルで最高のパフォーマンスを出せる。今後は生産界を引っ張っていく存在になるやろうし、種牡馬としてコントレイルは絶対に大丈夫と言える存在。

生まれついての強さではない。1歳12月から半年間は脚元の不安で育成を休んだ。デビュー後に大記録を打ち立てたその裏側に、多くの人の力があることも知っている。

福永 すいすいと順調にいった馬ではなかったし、誰がやってても3冠を取ったよね、と言われる馬ではないと思う。やっぱりノースヒルズ、矢作厩舎があったからこそ。牧場、厩舎、ジョッキーと三位一体となってやれたということが、無敗の3冠に間違いなくつながった。それは胸を張って言える。それに応えた馬も立派だった。

その強さを見せつける最後の舞台は、ダービー馬4頭、国内外のG1馬9頭が顔をそろえるジャパンC。強敵が相手でも、引退の花道は勝利という最高の形で飾りたい。

福永 次のキャリアのために最低限、まずは無事にやけど、有終の美を飾らせたい。やっぱり3冠馬としての名誉を守るためにも、最後はきっちり勝って、締めくくりたいという思いはある。俺も自分のベストを尽くすしかない。

騎手として、名馬と描く物語の最終章。揺るぎない自信を胸に、渾身(こんしん)の手綱さばきを見せる。(つづく)