古めきたる言葉つきにて書かれし文どもを好めども、
京伝馬琴種彦或ひは篁村紅葉一葉なんど、
近き世に書かれたる易しき新しき文をより好めり。
ゆゑにいにしへ人の残せし文のやさしきあてなるを真似むとすれども、
おのづから唐めきて四角なところあり、また江戸くさくもあり。