最悪のシナリオ以上に深刻

今回のアイディアは霧散してしまったが、韓国の少子化問題にはもはや時間は残されていない。

8月23日に韓国統計庁が発表した「2017年6月人口動向」によれば、今年上半期に生まれた新生児は約18万8000人で、ついに20万人を下回った。前年同期比で見ても12.4%も減少している。

このままいけば今年の新生児数は計36万人前後となり、統計庁が以前に少子化を前提に想定していた2017年の新生児数(38万8000人)よりも少なくなってしまう。韓国政府の考えていた最悪のシナリオ以上に、最悪の事態になっているわけだ。

韓国の合計出生率は2015年1.24人、2016年1.17人、そして今年は1.03人と予想されている。日本の1.44人(2016年の合計特殊出生率)と比べても、圧倒的に低いことがわかるだろう。

「子供の貧困率」や経済状況も関係か

日韓の比較ついでにいえば、日本の「子供の貧困率」は13.9%だが、韓国は6.9%と非常に低い。しかし、手離しで喜べない理由も他ならぬ少子化にある。

もちろん、韓国政府が何も対策をしていないわけではない。この10年間、韓国政府は少子化問題を解決するために100兆ウォン(約10兆円)の予算を使っている。それでも解決の糸口さえ見えない状況というわけだ。

少子化問題は社会問題が複雑に絡み合って生じているというのが専門家の意見てもある。アジア通貨危機当時の失業者数を記録した韓国の経済状況も、大きな影響を与えている。

出口の見えない韓国の少子化問題。取り返しのつかなくなる時間は、刻一刻と迫っている。

9/17(日) 7:30
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinmukoeng/20170917-00075357/