ハンJ読書部
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アホなネトウヨにならないためにも読書して知性を磨きましょう。 骨太の教養を作ろうと思うなら激重文献に挑戦するよりまずその分野の基礎をばっちり身につけることが必要やと思う
高校の教科書をサラッと読んで公務員テキスト、有斐閣アルマとか読むと基礎バッチリの教養になると思うで 人間の証明はおもろかったけど悪魔の飽食はおもろいんか?作者同じだけどジャンルちゃうから気になるわ ネトウヨには評判悪いけど古典やから読んで損はない
損はないけど731部隊なら今はもっといい本があるんちゃうかなあ
常石啓一とか青木富巳子とか >>441
有斐閣アルマは赤→緑→黄→青と専門性が高くなるにしたがって色が変わる親切設計がすこ
青(専門)だけど大澤真幸・姜尚中編『ナショナリズム論入門』(2009)はいいゾ〜コレ 731部隊とか阿片製造とか資料が燃やされてるだけに研究も難しいし、どこまで迫ってもネトウヨに反撃の隙間を作られるのがなあ
資料がない→証拠隠滅なのに
資料がない→事実がない
に脳内変換するもんなあ 731ではないけど日本の官製阿片に関しては
江口圭一が30年前に新資料発見して知られるようになったやね エーリッヒ・フロムの『自由からの闘争』面白かったんやけどあのテーマを現代日本に引きつけて書いてる人はいないのかな
雑誌や学会誌でもいいのであったら教えて 731部隊とか南京事件とか議論になりやすいネタを深く学ぶのもいいんだけど
もっと広く浅く戦前の歴史の流れを知るだけでもデマに騙されることは少なくなると思うの
最近読んだ本では加藤陽子『昭和天皇と戦争の世紀』がオススメ
一般向けに書かれてて分かりやすいし
昭和前期の歴史の流れと昭和天皇個人の事績が一冊で学べて一石二鳥だね ワイは学がないからエンタメとして楽しめればええや程度で聞いたんやけどみんなありがとな。読んで楽しむ分にはどんな感じや? >>448
デマに引っかからないという面では山川日本史Bでも充分な場合も多いね
デマでなくても重大な事件を欠かして点を結んで粗雑な歴史観を作るというパターンも基礎知識があれば対応できることも多い
反駁とまでなると色々読まなければアカンけども >>437
> >>413
> パーソンズ批判?
パーソンズも含めアメリカ社会学の理論家って「噛み応え」ないんだよね
アメリカの社会科学で面白いのは理論家じゃなくて、実務の泥水啜り尽くした実務家の本たとえば
キッシンジャーの『外交』とかだな
欧米外交史を、力学的な「作用反作用」の単純な原理で説き切った力業は凄い 悪魔の飽食は割と内容自体が批判無かった?
物理的にできない実験が書かれてるだとかなんだとか サピエンス全史と銃病原菌鉄の類似性は異常
ついでに銃病原菌鉄の日本への無理解もけっこうある 加藤陽子は本が多いけど割りとええな
内容も良識左派過ぎずトンデモではなく考えるヒントがあるし
一通り読むだけで戦前の大まかな流れがわかる >>454
銃病原菌鉄しか読んだことないが
日本がメインの本じゃないし限界もあるんじゃないか? そこら辺はどうしてもしゃあないな
マクニールの世界史とかネルーの「父が娘に語る世界歴史」
の日本理解も完全正確ではなかった
でもネルーの日本評はおもろかったで
要約すると
「最初西洋帝国主義に対抗してやるなと思ったけど今度は自分が暴君になりやがったくそが」みたいなやつ >>456
せやで
だけどワイの記憶ではあれの日本関連の記述は話半分に聞いておいた方が良いレベルやったはずや >>450
そうそう
教科書はきちんと最新の研究とかを参照して作られてるわけだから
ネトウヨの理論より100倍は正しいんだよなぁ
ネトウヨはすぐ山川教科書を批判するけど
ただ、教科書は日本史授業をとらなかった人とか捨てちゃった人には入手しづらいのが難点
そういう人には先に挙げた加藤氏の著作の他
北岡伸一『日本政治史』
岩波新書の『シリーズ日本近現代史』
あたりが広く浅く体系的な知識をつけるのにおすすめ
>>451
アメリカの実務家は名著をよく書くよね
外交官だったケナンが書いた『アメリカ外交50年』は
アメリカ外交の歴史とその欠点を学ぶのに必須ですわ >>457
まあしゃーないとは思うけどどうにかならんかったんかいな
せっかく死なずに生きてるんやから改定してほしいわ
そういえばダーウィンの進化論で第3版までが至高であとは反論ばかりだからクソって話があったな
上巻だけしか読めずに下巻は意味不明やったけど
結局近代は欧州諸国の物まねした歴史やししゃーないっちゃしゃーないかもしれんな
ウェルズの世界史に関する本で「エキゾチックな国だったのが地中海にいつのまにか軍隊派兵してて草」みたいな事が書かれてて笑った思い出がある
これもまた最後まで読めんかったけど
長いわ 歴史は中公というけど岩波の歴史物も強いよな
特にシリーズものは中公に匹敵するレベル >>461
そうそう、中公もいいんだよね
あんまり長いリストにするのもあれかなと思ったから省略したんだけど
中公文庫の『日本の近代』シリーズは近現代の歴史を学ぶための決定版
まあ、全部読むとかなりの量になっちゃうんだけど
あとは、講談社学術文庫の 有馬学 『帝国の昭和』もなかなか良かった 昔はライシャワーの日本史程度で持ち上げられるくらい外国人による日本研究って少なかったからな
今だって東洋学(シノロジー)や地域研究の中の1ジャンルって程度やし
日本研究で有名なパリ第7大学やシカゴ大学なんかでもそうやな
今じゃダワーやハルトゥーニアンみたいに日本語訳がよく読まれる研究者も増えてはきたけど
ネトウヨなんかは認めたくないやろうけど韓国の日本研究はお隣だけあって欧米なんかより理解が深いで
自国の日帝時代の研究の為に日本語学んでる研究者も多いし >>457
>でもネルーの日本評はおもろかったで
>要約すると
>「最初西洋帝国主義に対抗してやるなと思ったけど今度は自分が暴君になりやがったくそが」みたいなやつ
そこはガンジーの「全ての日本人に」と同じ評価やな
「最初にわたしは、あなたがた日本人に悪意をもっているわけではありませんが、あなたがたが中国に加えている攻撃を
極度にきらっていることを、はっきり申し上げておかなければなりません。あなたがたは、崇高な高みから帝国主義的な野望にまで
堕してしまわれたのです。あなたがたはその野心の実現に失敗し、ただアジア解体の張本人になり果てるかもしれません。
かくして、知らず知らずのうちに、あなたがたは世界連邦と兄弟愛――それらなくしては、人類に希望はありえないのですが――を妨げることになるでしょう」
日本語訳でもガンジーさんの優しさと気遣いとでも断固とした日本への対決姿勢を感じられる 戦後のGHQに当てられたアメリカ教育使節団報告書読んだんやけど上から目線で胸糞悪かったわ
やけどあれが現代の教育の基礎になってると考えれば感慨深いものがあった
例えば漢字の削減や全ローマ字化なんてのが真面目に書かれてて今の日本語すら連中が関わってるのかと考えたらやはり戦争で負けるのは良くないなと思いました(NTUY並感)
そして結局民主主義は根付いて無くて悲しいなぁ…
>>464
戦前日本は阿片戦争なんかの恐怖が原因で列強と対等になろうとする欲求が強すぎたんやろうなって
それで焼かれて従順にされたのが現代やろうか >>459
その流れでいえばアリソンやったかの意思決定モデルの本が勧められるな
この人も優れた実務家 戦前から戦中にかけて日本でもたびたび仮名遣いの改訂やローマ字化の動きはあったし多少はね?
まさか日本語ワープロがここまで発達・普及するなんて40年前だって信じられなかったんだし、それならいっそカナに統一するかローマ字化したほうが欧米並にタイプライターを使えて便利って憧れるのも無理はなかったかと
紀田順一郎『日本語大博物館』は読み物としても面白いからおすすめ 『正しい暮らし方読本』五味太郎
まずはこの辺で・・・ 図書館行けばあるで
https://goo.gl/Yj3CS4 >>467
文相森有礼が日本語廃止・英語公用語論唱えてたのは有名な話やな ピンカーが「言語という本能」で
「軽々しく言語に優劣つけんな特徴とか見るなボケカス」
みたいに言うとったのは気持ちよかったで 漢字廃止論
カナモジカイ
ローマ字運動
戦前〜戦後の国語学者主導の国語改革
日本もなんだかんだで漢字は減らしてきたんよな
韓国やベトナムやモンゴルみたいに廃止まではいかなかったが
社会言語学者の田中克彦なんかは今でも「リテラシー能力による差別に繋がるから廃止すべし」って言ってる
極論ではあるが肯ける部分も多い >>472
中国は簡体字にする前と後で思想に影響は出たのだろうか? 田中克彦もおもろい本多いよな
チョムスキー批判はいまいちやけど社会言語学もモンゴル関係も読みごたえある >>474
田中先生のモンゴル関係の本すこすこ
『草原の革命家たち』みたいなモンゴル革命からハルハ河戦争(ノモンハン事件)まで幅広いし >>475
モンゴルは専門やなくて革命シンパからの余技なんやったっけ
それであれだけ書けるんやから凄いわ
なにげに地味な印象のある岩波現代文庫にも複数入りしとるな 司馬遼太郎の『街道をゆく』モンゴル紀行読んでたら
タナカ・カツヒコの名前はモンゴルでは有名って書いてあったし
社会主義体制の70年代モンゴルで知られてたのはすごいやね このスレを立てた者ですが
思った以上に学術とか思想の話で盛り上がってるみたいなんでいっそこのスレそっち方面の読書に語るスレとして、
ここから分離する形で文学作品の読書について語るスレを立てようかとおもうんですが
どうだろう需要あるでしょうか ラノベから純文学までみたいなスレの方が別にあった方がレスしやすいのは確か 下の原住民スレが駆逐されるしなんj気分でどんどん立てるといい >>47
安価つけとく
今読んでるの読み終わったら >>482
47やけどポストモダンやニューアカに関しては香山リカスレにいた人がやたら詳しかったので
そちらのレスも参照すると面白いかも
香山リカさんファンクラブ
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/korea/1527151752/107-144 のID:vHW/olYUニキ 「大衆の反逆」読んどるやけどこれ本当に保守派のバイブルなんか?バリバリのオールドリベラルよな著書の中でも述べとるけど
ネトウヨみたいな「普通の日本人」だのほざくバカが台頭して大した知識もないくせに自分よりずっと頭のいい学者みたいな体制に苦言呈する少数者・教養者の発言シャットアウトして叩いて圧迫しとる状況は完全に嫌っとる本やろこれ
「少数派」を「官僚」と取ったわけかや?「大衆は各階級におる」とも言っとるし少なくとも「国力増強」だの「秩序維持」だの「国民を管理」だの言っとる人間がそれにあたるとは読めんわな 勿論官僚にも色々おるんやろけど
それともソ連型の共産主義を批判する文脈でバイブルに使われたんか?だとしたらわからんでもないわ
いずれにせよ日本でいう「保守派」の連中とはかけ離れてた思想持っとるのは確かやわ 国家による強制みたいなの一番嫌うタイプやろ >>484
そもそも昔はオールドリベラリストが日本でいう保守派やったからな せやね
同心会のメンバーだった安倍能成・和辻哲郎・小泉信三・石橋湛山・谷川徹三・津田左右吉なんかは
戦中戦前は軍部に睨まれてたけど戦後は保守扱いされたオールドリベラリスト
河合栄治郎とその弟子の猪木正道なんかもそうか 河合栄治郎は最初リベラルの立場から左翼叩きをやっとったのが軍部やファッショ右翼のほうが危険やとわかるとすぐそっちの批判に移ったのが偉かったと『丸山真男回顧談』で言うとったな
DD論に見せかけたサヨク叩き・野党叩きしか能のない冷笑系にも見習ってほしいわ
ろくでもないネトウヨに限ってこういうオールドリベラリストの系譜に連なる反共保守のつもりでおるから始末が悪い
和辻哲郎はそれなりに右翼がかってはいたけど論敵だったはずの津田左右吉が攻撃されたときは弁護に立ったり、立派な人ではあるな
和辻の義弟(妻どうしが姉妹)の林達夫が『思想のドラマトゥルギー』で語っとるエピソードは戦前戦中の岩波・京都学派周辺の知識人がどう振る舞ったかわかって面白いやで 林達夫も「共産主義的人間」があるから
保守とはほど遠いけど重要な立ち位置ではある はぇ〜すっごい勉強になる…やっぱこのスレためになりますねぇ!
和辻と林が義兄弟だなんて知らなかったゾ…読んでみよう
植村和秀『昭和の思想』とか大橋良介『京都学派と日本海軍』で読んだけど
戦中の京都学派の一部は高木惣吉大佐を中心にして海軍とつながりあったんやね
『世界史の哲学』の高山岩男とか… >>485~487
はぇ〜オールドリベラルは保守やったんすねぇ 当然といえば当然なんやろか
最近のネトウヨやら小池やら見とるともはやリベラルは左翼であると言わんばかりの論調で感覚麻痺しとったわ 西田も和辻も田辺も文体が難しくて原典読めなかったけどなんかいい解説書ありますかね? >>491
岩波新書の『西田幾多郎』(藤田正勝)と『和辻哲郎』(熊野純彦)あたり新しくて入口としてはいいんじゃないですかね
田辺元は合田正人がどっかの新書で『田辺元とハイデガー』とか出してたけどどんなもんやろか、佐藤優の田辺本も眉唾や
あと西田幾多郎の文体については小林秀雄の有名な批判があって、それをとっかかりに西田について論じた『西田幾多郎 他性の文体』は面白かったな あと田辺は『田辺元・野上弥生子往復書簡』(岩波現代文庫)が読みやすいかもしれんな、解説と言えるかは微妙やが
田辺は西田以上にゴリゴリの理系から出発して、新カント派の数理哲学〜弁証法の影響下にある「種の理論」〜宗教的な懺悔と死の哲学〜ハイデガーとの対決による文学への接近……と幅が広すぎるんで扱いにくいんや 自由民主主義体制下でのリベラルは社会民主主義のことだから
今の日本やアメリカでリベラル派が左翼だというのはそれはそれで正しいんですよ
戦前は民主的な体制が確立されてなかったからそれこそ右翼の側からもリベラル運動というのはあったし
そもそも明治維新を革命の一種としてとらえるなら、あれは富農層に支持されたブルジョワ革命であって
その後明治に自由民権運動を支えたのも同じ富農層で、これもリベラリストということになりなおかつ右翼でもある
フランス革命で言えば王党派と共和派はともに右翼だが王党派は保守で共和派はリベラルというように
要するに体制が変われば社会の思想的な基準点が動くから、リベラルという言葉の意味も変わる そもそもオールドリベラル自体今のリベラルとは雰囲気かなりちゃうしな
国家権力の弾圧には反対するけど
共産主義も警戒する古典的教養人の集まりが日本のオールドリベラルかな マルクス主義をきっちり否定しつつ自由至上主義を説くってバヴェルク以降のオーストリア学派っぽいな >>492
>>493
ありがとうございますやでほんま
まずは新書から読んでみようと思います
田辺の読みにくさはやっぱり有名なんすねえ… ワオも西田哲学をはじめ京都学派は一度ちゃんと読んでいたいけどリッカートとか元ネタになってる新カント派をよく知らんのよね
大正時代に流行ったみたいだけど
ドイツ語も読めないしなあ >>496
自由至上主義と言えるのはミーゼス以降じゃね? >>497
田辺に関しては、比較的最近の本では田中久文『日本の哲学をよむ: 「無」の思想の系譜』の田辺の章がまとまってると評価が高いぞ
田辺の研究はさいきん進んでるけど、まだ一般書のレベルではよい入り口がわかりにくいよな
雑誌・思想の2012年1月号で田辺元特集をやってるから、図書館とかで読んでみると近年の研究の広がりがよくわかると思う
上で指摘されてるが、佐藤優は濫造でクオリティ落ち気味やからあんまり真に受けれないかなーって感じやね >>500
最初の方でもいったが初期はほんまに悪くないんやけどな
今は時間潰しとしてはまあええかなくらいや >>498
思想史的背景をガチガチに追う研究者でもなければ、そこまで新カント派そのものの知識はなくても読むだけなら読めるもんやで
カントやヘーゲルは大前提やけど、西田なら『善の研究』の核になっとる「純粋経験」概念はウィリアム・ジェームズとかベルクソンあたりの影響が大きいし、後期哲学は意外にライプニッツとかデカルトみたいなフランス系の古い哲学者のほうが重要だったりする 正直全ての哲学古典を読んでから現代哲学にいくとか無理やからな
最低限の教養として哲学史を学んだらあとは好きな順番でええと思う
その上で最低限の教養としての哲学史なら
熊野純彦の西洋哲学史とかがええかな >>502
サンガツ
まずは文庫に入ってる西田の著作を一度読んでみようかなあ
西洋哲学の知識は学部時代のパンキョーの講義と岩波ジュニア新書の『ヨーロッパ思想入門』くらいしかないけど
西田哲学が近代日本であれだけ流行った理由ってのを知りたいもので・・・ >>494
確かに「自由民主主義体制下での」リベラルは社会民主主義「的」になる訳だけど、それを「社会民主主義」と「同視」するのはどうなんだろ
前述のように「戦後日本」というバリバリの「自由民主主義体制下」でのオールド「リベラル」は「保守的」とみなされたわけだよね 社会主義ないし共産主義を目指したかった勢力からすれば
確かに20世紀以後のリベラリズムが古典的自由主義の弊害を是正するために「福祉国家」の下で社会主義「的」要素を取り入れて経済的自由への部分的介入を認めたのは事実だけれど、
あくまでそれ以外の精神的自由と個人主義については自由を「原則」としてるわけだよね というか、そちらの方が重要だよね。「自由主義」だし
社会民主主義は、名前の通り「富の再分配」と「民主主義」を重要視してるわけだよね リベラリズムとは精神的自由と経済的自由双方への介入のあり方や程度の差が全然違ってくるんじゃないかな
時代によって「世論の考える」右と左がズレる、という点については当然同意。
てか、「隷従への道」の前文でも、イギリスと違ってアメリカでは「リベラル」が「政府によるほぼすべての種類の規制や管理に対する支持」とかいう真逆の意味で使われてて困惑したって書いてあったね笑 佐伯啓思もそんなこと言ってたやね
この辺の問題は色々ねじれてるからワアはよくわからないわ
ノージックの主張なんかはアナキズムに近いように見えるし >>498
新カント派ドイツ西南学派のヴィンデルバルト、リッケルトはネット古書で安く手に入るよ。
「哲学概論」「文化科学と自然科学」「認識の対象」とか
上で西田が上がってたけど、明治の哲学者は素直というか潔いというか、自分のルーツを隠さない。西田の「思想と体験」読むと、
彼の認識論のネタ本が新カント派とくにリッケルトだと丸わかりになる。
京都学派の左派って、マルクス主義の流入で新カント派からヘーゲルマルクス系統に鞍替えしてるから、
根っこは新カント派のままヘーゲルやマルクスを解釈してる。それでいろいろとおかしなところが出てきたりする >>508
サンガツ
ワイごときに読めるかどうか不安やけど手出してみるやで なんか詳しい人がいるから勉強になるけど京都学派左派って三木清とか戸坂潤あたりのことでええんかな?
戸坂潤は『思想と風俗』や『日本イデオロギー論』読んだかぎりだと読みやすかったわ
日本主義批判・自由主義批判・ファシズム批判・西田哲学批判・・・と唯物論の立場から分かりやすく批判してるけど
戸坂って元々西田門下なんよね?戸坂も昔は西田哲学の影響下あったけど転向したってことやろか??? >>510
三木は西田の直弟子やけど、戸坂はもともとの専門が数理哲学やし世代的にも少し下なんで田辺に近い感じやな(西田は途中で定年退官するため)
京都学派(時代や学問領域などどこまでを含めるか難しいが)は割と左派にも寛容だったのと、三木によるマルクスの哲学的解釈が西田や田辺にも評価されたこともあって、そのへんの大御所もヘーゲル〜マルクスの流れをある程度押さえとるんや
三木が近衛内閣のブレーンになったり(近衛は西田の教え子でもある)学究肌の田辺が政治哲学に舵を切ったりして時局に積極的に関わっていくのは、もちろん体制への協力には違いないんやが、その背景にはマルクス経由でのヘーゲルへの関心があったはず
三木は時代を読むのに長けていたところから、戸坂は理系出身の徹底した合理主義者だったところから、それぞれマルクスに行き着いて自分の師匠を批判することで継承しようとしとる感じやないんかな
マルクス関係なくても田辺が西田を批判したりもしとるし論争で切磋琢磨していくみたいな風土があったんやと思うで
まあ思想的には左右に分かれても師弟やOB同士の人間的つながりは濃厚だったんやろ
長文すまんな いま『君たちはどう生きるか』の再ブームが来てる吉野源三郎がと『職業としての編集者』で書いてたけど
三木清は編集企画者としてのセンスも抜群だったらしいやね
岩波新書の企画もそうやけど岩波茂雄と吉野源三郎が惚れ惚れするようなエディターシップだったんやて >>511
メッチャ勉強になったわありがとうやで
戸坂って西田だけじゃなくって田邉とか数理哲学もベースにあるんやね
あの辺の人脈の中でみんな思想形成していったんやな
三木清は岩波茂雄にドイツ留学を支援されてたとか岩波茂雄の伝記で読んだわ 三木清って岩波新書作ったんか?
じゃあ読書部員は随分お世話になっとるのう 岩波新書は青版時代が一番好き
大工道具の歴史とか変化球もいろいろあるよな >>515
旧赤版(戦前)→青版→黄版→新赤版→新々赤判って流れやったかな
たしかに青は今でも有名な名著が多い一方で『大工道具の歴史』『見世物からテレビへ』『にっぽん部落』みたいに変化球多いやね
黄版っていうのがあんまり印象にないわ丸山眞男の『文明論之概略を読む』くらいか >>516
黄版は外れはあまりないが大当たりも特にない
どれもそのテーマを知りたいなら良書だけど随一ではない
こんなイメージやな 当時マルクス主義が凋落してたのもある 山口昌男の「文化人類学のすすめ」
鶴見良之の「バナナと日本人」辺りも代表的名著やと思う >>517
サンガツ!『バナナと日本人』は昔読んだ記憶有るわ
鶴見も山口も人類学者ってあたりが知のファッションが変わった時期っぽい感じするやね
中村雄二郎とか網野善彦なんかが書き始めたのも黄版か… ワアは人類学って学問は全然知らないけど山口の「文化と両義性」と「道化の民俗学」は面白かった >>516
『外国語上達法』めっちゃ良かったよ
「目的に応じた学習」とか「語彙の重要性」とか色々ハッとさせられたわ 海外行きたくなった >>512
書店で山積みにされてるね
在庫がダブついてるのかと思った 山口昌男とか網野善彦とかが新しい学問の流れを整えて
それを土壌にニューアカブームも出た感じやな
けど今読むと山口昌男とかの方が教養豊富でおもろいかもしれん >>522
せやせやその見解多分当たってるわ
岩波が「へるめす」ってニューアカ雑誌出したのは山口昌男あたりがきっかけだったはず >>523
文化人類学とか民俗学とか
マルクス主義の公式から離れた学問が流行りだして
その流れの決定版としてニューアカポストモダンが出たんやろな ようやくユリイカの蓮實重彦特集読んだんやけど60年安保のときのエピソードが面白いな
仏文研究室がデモに行くとき、主任教授だった渡辺一夫が、
「Ne nous emmerdez pas trop, Monsieur qui chie!(われわれを糞まみれにしてくれるな、糞を垂れる紳士よ)」ってプラカードに書いてくれたんやて
emmerdezは「迷惑をかける」ぐらいの意味やけど今でもフランス人が「Merde!(クソ!)」って言うように動詞emmerderの原義は「糞まみれにする」という意味
それにかけた「糞を垂れる紳士(Monsieur qui chie)」はそのまま発音すれば「ムッシュー・キ・シー」で岸信介のことになる
渡辺一夫がこういう下品なジョーク好きなのはラブレーの研究者だからやろな メルド (糞っ)はレ・ミゼラブルかなんかで今でも覚えてる ユリイカ2017年10月臨時増刊号 総特集=蓮實重?
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3071
このスレで初めて知ったわ
ユリイカってここ10年くらい企画ブレブレだからこういう硬いのはいいわ
初音ミク特集とか2.5次元演劇特集とか男の娘特集とかはさすがにサブカルすぎる その幅がユリイカのいいとこやと思うけどな
ガチなんは現代思想に任せといたらええねん
論壇誌と言えば岩波の世界主要論文選は戦後左派思想の原点通史みたいな感じですこ 世界は戦後論壇の縮図みたいな凄さがあるよなあ
創刊の頃の「建国の事情と万世一系の思想」「超国家主義の論理と心理」あたりは誰でも知ってるし
ユリイカって元々詩の雑誌だったんやっけ?現代思想との住み分けがようわからん
どっちも三浦雅士が編集やってたのは知っとるけど 渡辺一夫って岩波文庫に入ってるけど仏文学詳しくない層でも読める?
大江健三郎好きだから気になってはいるんやが >>531
読めるけど気になるなら現代文庫の「曲説フランス文学」で入門してからでもええで
これは岩波現代文庫やけど元がカッパブックスといえ珍しい本や >>460
>そういえばダーウィンの進化論で第3版までが至高であとは反論ばかりだからクソって話があったな
>上巻だけしか読めずに下巻は意味不明やったけど
種の起源のことならちょこちょこと反応の強さにビビって穏当な表現に軟着陸した部分が後期の版ではあるっぽい
ドーキンスとかも初版ラブやったわ
日本だと光文社の古典文庫で手軽に初版の訳書が読めるからええ環境や >>533
サンガツ!知識ないからまずはそちらから読んでみますわ
カッパブックスって軽いイメージあったけどそんな本出してたとは >>535
現代文庫入りなら上野千鶴子のセクシィギャルの大研究とかもあるな
あとカッパブックスは栗本慎一郎中心の共著に
山口昌男みたいなプレニューアカにも近寄ってたんや
さらにその前は金子光晴の「絶望の精神史」みたいなもんまで出してた
結局段々石原慎太郎渡部昇一谷沢永一小室直樹みたいな
プレネトウヨ系の本が増えていくけどな >>534
日本の良さの1つに日本語の発展の高さがあって
日本語に翻訳されてる本が非常に多いから良いって話が合ったけども
どうやら今の人々は日本語が好きやないのか政治家見ればカタカナばかり使うから嫌やな
ある程度までは分かるけど日本語でええやん
スレチかもしれんが >>537
うーん、なんでそんなレスがワイの書き込みについたのかわからんけど一応返答しとくと
とはいえ言葉っていうのは文脈を背負ってるものやからひたすら邦訳すればいいというもんでもなくて
例えばビジネスのカタカナ語なんて「かっこつけすぎだろ」って馬鹿にされがちやけど、
「コンセンサス」を「合意」と言い換えてしまうとビジネスの場で使われる「コンセンサス」というワードが持つ
相応の文脈を取りこぼすことになってしまうんや
「コンセンサス」という言葉を聞いたり読んだり自ら使ったりしたその集団意識がワードに籠ってるというか
もちろんなんでもかんでもカタカナ語にすりゃええってわけではないで >>537
もうひとつはカタカナ語にすることで異化効果として強調するという機能もあるな
できてるかはわからんけど上で「単語」とか言わずに「ワード」と書いたのもちょっとそれが狙いや
こういう風にうまく外来語も取り入れるのが言語の豊かさに繋がると思うんやけど
まあスレ違いすまんな 言葉の文脈と歴史性でいうなら「志那」とかもそうやね
もともとの文脈では別に蔑称ではないけど
ネトウヨさんみたいなやつらに使われ過ぎて負の属性がついた感じ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています