週刊文春デジタル
夜ふけのなわとび 第1588回 林真理子「ハワイということ」
2019-01-24 05:00

 以前も書いた。ハワイへ行くたびに祈るような気持ちになると。
「どうかずっと、この島が日本人のものでありますように」
 今、世界中どこへ行っても、幅をきかせているのが中国人と中国語である。ヨーロッパのいろんな国でも、ニューヨークでも、自国語と共に中国語が書かれている。
 バブルの頃、高級ブランド店にいっぱいいた日本人店員は姿を消し、いつのまにか中国人ばかりになった。
 東京だって銀座は右も左も中国人。六丁目あたりは、聞こえてくるのは中国語ばかりだ。
 しかしハワイは違う。
「立入禁止」
「すべらないように気をつけてください」
「営業は午後二時からです」
 みーんな日本語がふつうに英語と併記されている。うどんの「つるとんたん」もあるし、お好み焼きの「千房」もある。おにぎり屋さんも大盛況。店員さんはカタコトの日本語を喋ってくれる。昔、誰かが、
「日本国ハワイ県」
 と書いていたが、その傾向は根強くあるようだ。
https://ch.nicovideo.jp/shukanbunshun/blomaga/ar1723519