このような本が売れた背景には、日本社会の変化がある。00年代以降、排外主義的な傾向が強まり、「ネトウヨ」と呼ばれるネット右翼が台頭。
ナショナリズムによりどころを求める風潮も広がった。しかし韓国崩壊本を買っていたのは彼らだけではない。ネトウヨ層の中核は実は40代とされるが、
彼らは主にネットを利用し紙媒体とは隔絶した空間に生きている。
出版社によれば、崩壊本の主要読者層は60代前後。著名作家の本は確実に1万部は売れる。

出版不況の中、一定数が売れるので書店も販売スペースを確保し、平積みして陳列する。日韓間でトラブルや事件が起きたときに「韓国のことを
知りたい」と書店に訪れた一般読者が、大々的に並ぶ中国崩壊本を手に取る――というサイクルが成立してきた。

こういった本には制作コストの安さというメリットもある。多くの場合、経費をかけた現地取材をすることなく、韓国国外で活動する北朝鮮系の
韓国語メディアの記事をネタに複数の韓国ウオッチャーが対談。それを書き起こした内容を編集して書籍化されている。